第30話

ラクザンカ達が模擬店の休憩所テントで話していたラクザンカ達にネモネアとスモネアが慌てた様子で走って来た。

「おーいッ!お前らーッ!おーいッ!」

「ん?ありゃネモネア姉妹じゃ。何か急いでおるのぉ?」

2人は息を切らして慌てた様子でテントに着いたがミザァが冷静に聞く。

「どうされました2人共?」

「それが...私達の前に不審な侵入者が現れたんです。」

2人の話を聞いたラクザンカ達は驚いた。

「え!?おいおい大丈夫なのかッ!?」

「落ち着け、奴らの目的はある程度分かる。既に風紀委員や警備の人に一言掛けてるが、こんな祭りで騒ぎを起こせば余計に混乱が大きくなる。なるべく大事にしたくない。早急に対処したいから協力してくれ。」

ラクザンカが心配するがネモネアが両手を下に下げる動作をして静かにするように言った。

「それで、その不審者はどんな奴なんだ?」

ラクザンカが聞くとスモネアは答える。

「灰色の服装に黒い眼帯をしている男です。ですが、単独とは限りません。」

「え?それってどういう....」

ユリが聞き返そうとすると、突然上空からおぞましい雄叫びが聞こえた。

「ぐおぉおおぉぉおおぉおぉぉぉッ!!!」

「な、何だッ!?一体何処からッ!?」

ラクザンカ達が見ると学園の一番高い屋根から全身がピンク色の爛れた肉の塊のような怪人が学園広場の真ん中に降りてきた。

「な、なんだッ!?あのデカイ怪物は!?」

ラクザンカ達が驚いていると肉の怪人が此方に向かって突進してくる。それを見たネモネアが指示を出す。

「良しッ!ラックッ!ユリッ!お前ら奴の相手をしてやれッ!」

「ハァッ!?何でいきなりアタシ達がッ!?」

「言った筈だ、この事を大事にしたくないって。アイツが暴れて他の生徒や客に手を出されたら堪ったもんじゃない。だからお前らが相手をしてこの騒動をヒーローショーとして見せるんだ。そうすれば被害を最小限に抑えられる。」

「成る程、確かにそれは一理ありますね。」

ネモネアが言うとミザァは納得した。

「え!?ちょっとッ!?アタシまだ納得してないんだけどッ!?」

「私は別に良いよ。なんか面白そうだし!」

ラクザンカが慌ててるとユリはノリ気だった。

「良し!決まったな!2人は奴の注意を引き付けてくれ!」

「....あぁもう分かったよッ!こっちも折角の祭りを台無しにして堪るかよッ!やってやるよッ!」

2人が肉の怪人に走って行くと肉の怪人は叫びながら襲い掛かかって来た。

「ぐおぉおおぉぉおおぉおぉぉッ!!」

肉怪人が腕を振りかざし2人を攻撃する。ラクザンカはヒラリと避け、ユリも最小限な動きで攻撃を避けた。それを見た生徒達は驚いた。

「わ!凄いデス!あの人達、凄い戦いしてマース!」

「本当だ!なんかのイベントかな?」

「いいぞぉ!やれやれ~!」

生徒達から感心されユリは照れていた。だがラクザンカはその隙に肉の怪人に蹴りを入れる。

「おらよッ!どうしたッ!?動きがヌルイぞッ!」

「ぐるるるぅ~!ぶっぶっぶッ!!!」

すると肉の怪人が腕の部分から肉の一部を生徒達に向けて投げ付けてきた。それにいち早く気付いたラクザンカは急いでその肉片を全て競り落とした。

「あぶッ!?クソが……、ふざけやがって……。ユリ!避けろォォッ!」

ラクザンカは後ろから来ていた肉の怪人の攻撃を避けた後、後ろにいたユリに教えるとユリは慌てて避けた。そして肉を投げた怪人に対してユリが素早く呪文を唱える。すると足元に魔法陣が出現してそこから光線のような物を発射した。それを食らった肉怪人は怯んだが傷一つ付いて無かった。それを見てユリは驚いた。

「どうやらあの怪人には魔法が効かないようだね……。」

「あぁ、だがアタシ達の目的はコイツをアタシらに集中させる事だ。その間にネモネア達が黒幕を捕らえるまで何とか持ちこたえるんだ。」

ラクザンカが言うとユリが納得した。

「うん!分かった!」

「よし、行くぞ!」

ラクザンカは頷くと肉怪人の腹に蹴りを入れて怯ませた後、ユリの風魔法で空高くジャンプして威力を上げた踵落としを食らわせた。それを見た生徒達から歓声が上がる。

――――――――――――――――ラクザンカ達に任せてネモネア達は他に侵入者が入り込んだと報告を受けた所に向かっていた。「良し、さっき報告が合った場所に着いたぞ!」

ネモネア達は警備員の人混みをかいくぐって目的地の食堂に来た。中では警備委員が目の前の蛇腹髪の背の高い男に目を光らせていた。

「あやつ、只の人間ではないのぉ。恐らく、魔族じゃの...」

「えぇ、私もそう思います。」

シュンランが言うとミザァは頷く。

「あの蛇腹髪の男は恐らく、私達が出会った眼帯の男の仲間でしょう。しかし、この学園の警備を簡単に突破出来るとは……」

「取り敢えず奴を止めたいと....」

ネモネアとミザァはそう言うと4人は戦闘態勢に入る。それを見た蛇腹髪の男が笑い、そして男の周りに魔法陣が出現してそこから巨大な岩が現れて男の体にまるで鎧のように身に纏った。

「く、来るぞッ!」

警備委員が言うと男は岩の鎧を身に纏った状態で4人に突進して来た。それを見たシュンランは素早く魔法を放つと男の周りに竜巻が発生したが、その竜巻を男は腕で叩き落とした。

「……なッ!?ワタシの魔法を……!?」

「なら、これで!」

そう言ったミザァは魔方陣を出し、三女のレダシを召喚した。レダシは男の両手を掴み合って何とか止めた。

「ネモネアさん!スモネアさん!ここは私達が何とかしますので、2人は早く主犯を止めてください!」

ミザァが言うとネモネアとスモネアは頷き、この場から離れた。

「ハァッ!」

シュンランが男の頭上から魔法を放つも男は岩の鎧で防ぐ。そのまま接近して素早く男に連撃を入れるもその全てが避けられる。しかし、その隙に警備員達が男を一斉に拘束魔法で動きを封じた。

「よし!今じゃッ!」

シュンランは高く飛び上がり魔力を込めた火玉を食らわせると同時に下から巨大な火柱を出して追撃していた。しかしそれでも男は一切、怯まずレダシと取っ組み合いをしていた。

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