第31話
シュンラン達に任せてネモネア達は魔法石を納めてる地下へ向かって行った。道中で門番魔獣や警備員が倒されてるのを発見した。
「おいお前らしっかりしろッ!」
「んッ...あぁ、会長...申し訳ありません...我々が情けないばかりに...」
「仕方ねぇ。今回は相手が悪すぎた……で、奴は地下へか?」
「はい……恐らくそうかと……このままでは魔法石を盗まれてしまいます……」
「....分かりました。後は我々に任せて皆さんはここで待機を。今、救護班が駆け付けて来ますので。ネモネア、急ぎましょう!」
そう言ってネモネア達は急いで地下へ降りて行った。地下は広くて迷路のように入り組んでいる。これは侵入者を拒むためのトラップの1つであるがネモネア達しか知らない唯一の扉が開きっぱなしになっていた。
「奴め...何かしらの方法で抜け道を潜り抜けてますね。」
「チッ!ふざけやがって!」
ネモネア達はその扉に入っていく。中は薄暗くて不気味である。しかし、奥から明かりが漏れているのを確認できた。ネモネア達は慎重に進んで行く。そして、ある一室に入った瞬間、スモネアは絶句した。そこには魔法石を保管していた宝箱の前に眼帯の男が居た。その右手には魔法石が握られていた。
「おぉ、誰かと思えば会長さんにその妹じゃないっすか。もうここまで来たか。」
「こんなこったろうと思ったよ。外の仲間に暴れさせて注意が引いて警備が手薄になってる間に石を頂こうとしてただろ?」
ネモネア達が入ってきた事に気付いた眼帯の男が振り向く。そして、眼帯の男は魔法石を胸ポケットに放り込んだ。すると、眼帯の男の体が見る見ると大きくなり人間から獣のような姿に変貌した。その姿はまるで狼男である。
「それは変身魔法ッ!しかも獣型の……!やはりお前、5年前にあたいらが倒した盗賊共の生き残りかッ!?」
「俺か?俺は“フェンリル”。あんたらに倒された盗賊頭の息子だ。」
フェンリルと名乗った男は鋭い爪で威嚇する。ネモネア達は戦闘態勢に入る。
「あんた……まさかまだ魔法石を狙いに来たってのかい?」
「あぁ、そうだとも!あの日、親父の無念を晴らすために俺はこの計画を始めたんだ!この魔法石は俺達が頂く!」
そう言ってフェンリルが襲いかかってきた。しかし、ネモネア達は難なく回避する。
「ハッ!盗賊風情がこのあたいに勝てると思うなよッ!!」
そう言ってネモネアが隠し持っていた短剣を構えるとフェンリルに斬りかかった。しかし、フェンリルはネモネアの攻撃を避けた。そして今度は逆にネモネアに攻撃を仕掛ける。
「くっ!」
「姉さんッ!……このッ!」
スモネアが杖を構えて炎魔法を放つがフェンリルはそれを軽々と避けた上にスモネアを爪で攻撃した。爪が腹を掠め、スモネアはその場で倒れた。
「……ッ!」
「スモネアッ!」
「まずはお前から始末してやるッ!!」
そう言うとフェンリルはスモネアに向かって行った。だがそれをネモネアが阻止する。
「させるかァッ!」
ネモネアは短剣をフェンリルの背中目掛けて突き刺した。しかし、それはフェンリルの左腕でガードされてしまった。そして、そのまま振り払うようにでネモネアに攻撃した。
「……ッ!しまっ……」
「死ねぇぇ!!」
ネモネアは防御しようとしたが間に合わず、そのまま攻撃を食らってしまった。その衝撃でネモネアは壁に叩きつけられてしまい、そのまま倒れてしまった。それを見たフェンリルは笑い出した。
「グワッハッハッハッ!!どうした会長さんよ?学園生活で腕が鈍ったんじゃねぇのか?あ!それとも俺が強くなりすぎちまった?ガッハハハハハッ!!」
それを見たスモネアは怒りだした。
「この……姉さんをよくもォ!!」
スモネアがフェンリルに杖を向けて今度は氷魔法を放ったが、逆にフェンリルの爪で切り裂かれてしまい、そのままスモネアに体当たりをして逆に倒れてしまった。
「まったく甘いぜ。こんなんじゃぁ俺を倒せないぜぇ?なんせ今の俺は“獣人”だからな!お前らお子ちゃま魔法使いには勝てねぇんだよ!」
(しまった……!今の攻撃じゃ奴を仕留める事は出来ないし……もっと火力のある魔法でないといけない……!)
スモネアがどうしようと思考しているとフェンリルの後ろから小さな玉のような物が飛んできて、それがフェンリルの頭に触れると同時にその場で破裂し、フェンリルの顔に赤い液体が掛かった。
「な、何だ!?.....ウグッ!ギャアアアアアッ!!!い、痛いッ!!!目に染みるぅぅぅッ!!!か、辛いぃぃぃッ!!!」
フェンリルが目を抑えて苦しみ出した。それを見たスモネアは唖然としていた。
「な、何…?あれは一体…?」
「あたい特製超絶唐辛子爆弾さ!スモネア、大丈夫かッ!?」
ネモネアがスモネアに駆け寄る。
「あ、うん……ありがとう姉さん。助かった……」
「礼はまだ早い!今はあいつを倒す事に集中しな!」
ネモネアが短剣をフェンリルに向けた。しかし、フェンリルは目を抑えながら苦しんでいる。
「グゥゥッ……!お、お前ら……よぐもやってくれたな……!」
フェンリルが怒りで声が低くなっているが、唐辛子のせいで暫く目が見えなくなり、その場で両腕を振り回していた。
「ね、姉さん...このままじゃ埒が明かない。奴の頑丈さはあの頭領以上だ。何とか対策を....」
「その事なんだがスモネア....あたいに1つ策があるんだ。.....スモネア、あたいともう一度合体してくれッ!」
ネモネアが突然、スモネアにそうお願いした。当然、スモネアは絵に描いたように驚いた。
「え、えぇッ!?な、何でまた合体する必要があるのッ!?5年前のは奇跡的に成功したまでで、今回も上手く行くとは限らないッ!」
スモネアが動揺しているとネモネアが話を続ける。
「だがあいつに勝つにはこれしか無いんだよッ!力を合わせて戦わないとッ!」
ネモネアの強い懇願でもスモネアは中々答えられずにいた。しかし、ネモネアは急かした。
「スモネア!お前が躊躇してたって事態は好転しないんだよッ!もう、こうするしかないんだ!!このままじゃ学園の皆やられちまうんだぞッ!大切な後輩や大好きな友達もッ!!!」
「……ッ!あぁもうッ!ネモネアッ!手を出してッ!」
その説得でとうとうスモネアは決心する。そして、スモネアが懐から青白く光るランタンを取り出し、ネモネアが下から持ち、スモネアがそれを上から挟むように持った。
「....もう無いかと思ったけど。失敗しても恨まないでよ?」
「ヘヘヘッ....あぁ、分かってる。....にしてもあん時の事が無ければあたい達は生まれてなかったし、この技も出来ることは無かったな。」
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