トラック4 四つ目は恐怖の音楽室、お耳は大丈夫?

「ボク達、すでに三つはクリアしてるんですよ」


「この廃墟学園にある七不思議。一番目は校門。手を繋いで入ればクリア。二番目はさっきの廊下ですね。。知らぬ足音が追ってきても、二人で逃げろ。で、三番目がトイレ。ノックして、声が聞こえるまでに逃げろ。だから、せ、成功ですね」


「えーと、あとは四つですね。四番目のに挑みましょうか。音楽室ですね」


//SE 音楽室のドアを開ける音


「わぁぁっ、暗い……真夜中の音楽室って、ほんとにいやぁぁっ」


「ベートベン、こっち見んな。……ん? なにこれ?」


「音楽室の真ん中に椅子が置いてありますね。……しかも、露骨に一人が座り、もう一人が横になる用が置いてある。椅子一個と、椅子三個をうまい具合において」


「え? 黒板に何か書いてある? ……んぅー? 暗くて見えづらい……あ」


「耳かきをしろ? ……あ、椅子の上に耳かきも置いてある」


「はやりの、ASMR的なことをしろって? ……俗っぽい、幽霊ですね」


//SE 壁が叩かれる音


「きゃっ!? え、今いるの? 幽霊いるの? えぇぇぇぇっ、この幽霊、カップルが試練に挑戦するの、見てるんだ」


//SE 壁が叩かれる音 三回


「きゃっ!? も、もう! 分かった! 分かりましたよ! 耳かきするから、そんなに叩かないで!」


//小声

「……ここの幽霊、なんか変な感じですね」


//SE 壁が叩かれる音 二回


「もう! ごめんって! ……それじゃ、先輩。その、ボクがこっち側に座るんで。……その、太ももにね、寝てもらって、いいですか?」


//SE 椅子に座る音


「い、いいですよ?」


//SE 後輩女子が自分の膝をポンポン叩く音

//SE 主人公が椅子に座る音


「……ど、どうですか? ボクの太もも? ……にゅふふふっ。先輩、顔が赤くなってます。うふふっ、キモチ良いんだー? ……先輩のエッチ」


「エッチー、エッチー、エッチッチー……えへへへっ、やっぱ先輩はこうでなくちゃ」


//SE 部屋全体からラップ音


「な、なにこれ? もしかして、反応してるの?」


//SE 部屋全体からラップ音


「肯定って意味? ……なんだろ。この幽霊、怖い相手じゃないのかな? ……恋愛に飢えてた幽霊の前で、イチャイチャするって、なんだかな」


//SE 部屋全体からラップ音


「はいはい。やりますよ。別に、あんた達のためじゃないから」


//SE 部屋全体からラップ音


「いや、その……先輩? 先輩のために、やってるんですからね?」


「それじゃ、綿棒で、まずしますね?


//綿棒 約15秒間

//数秒経つと、綿棒中に話しかける

「どう、ですか? ここ、キモチイイですか? ……ここ? ここが、いいの? えへへへっ、先輩、可愛い顔してますよ?」


「にゅふふふっ、せんぱーい。キモチよかったんでちゅねー? えへへへっ、嬉しいな。先輩、ボクの耳かきに、メロメロなんだもーん」


//小声

「じゃ、もうちょっと……しますね?」


//綿棒 約20秒間

//綿棒中に最初から話しかける

「……こちょこちょこちょー……キモチイイですかー? にゅふふふっ、先輩、可愛い。赤ちゃんみたいでちゅねー? 女の子の太ももでおねんねして、綿棒されちゃって、嬉しいんでちゅか? えへへへっ、先輩ったら、もう。……ザーコ。ザコザコですね。えへへへっ」


「……にゅふふふっ、先輩。もう先輩は、ボクの手の上ですよ? にゅふふふふっ。か弱い女の子に好き勝手されて。先輩ったら……えへへへっ」


//小声

「もっとしてほしいでちゅかー? ……にゅふふっ、いいですよ。してほしかったら、してほしいでちゅーって、言ってください? やぁんっ、冗談ですよ。もう、怒らないの。怒ったら、もうしてあげませんからねー? えへへへっ、じゃ、もうちょっとだけ」


//綿棒 約15秒間

//綿棒中 最初から話しかける

「もうちょい、奥の方を……入れちゃいますね。先輩、女の子に綿棒されちゃって。嬉しい? えへへへっ……ねぇ、ボクだから、その……ボクにされてるから、キモチ、いいのかな? えへへっ、だったら、いいなぁー……えへっ」


「……はい、綿棒終わり。あ、それじゃ最後にマッサージもしますかね」


//耳の周りをマッサージ 約15秒間

//最初から話しかける

「よいしょ、よいしょ……どう? きもちいい? ……ありがとね。七不思議に、付き合ってくれて……感謝、してるんですよ? ……本当に、あ、ありがとうございます」


「……はい、終わり! それじゃ、反対側の耳もしますかね」


「バカ! 一回立ってから! ……もう」


//SE 椅子から立ち上がり、座り直す音 二人分


「それじゃ、先輩。こっちの耳にもしますよ? えへへへっ、嬉しそう。可愛いな先輩。飼っちゃいたいくらいですよー?」


//綿棒 約15秒間

//綿棒中に最初から話しかける やや小声

「ほらほらー、キモチイイですかー? お耳を、リラックスしましょうねー? えへへっ……先輩、可愛いなぁ。……先輩。ボクのだから、その……キモチ良いんですか? あ、あの……」


「ふぅー……その、もうちょっと、しますか。あ、あの……変なこと聞いてて、すいません。でも、その……そ、それじゃ! もうちょっとしますね!」


//綿棒 約20秒間

//綿棒中に5秒ぐらい経ってから話しかける やや小声

「先輩……先輩には、その……ボクのだから、その……ボクの耳かきだから、きもちよかったら……な、なーんてね。えへへへっ……先輩、どう? キモチイイ? ボクの太もも、そして綿棒……両方、先輩のためだよ? せ、先輩の、ためだけに、その……うぅぅぅっ」


「……ずるい。先輩、ボクだけ恥ずかしくなってる。羞恥心にのまれてますよ。……だ、だって、その。耳かき中も、ずっとだんまりしてるわけにはいかないし、その……うぅぅぅっ、も、もうちょっとしますよ!」


//綿棒 約15秒間

//10秒ぐらい経ってから綿棒中に話しかける 小声

「……先輩……せ、先輩には……先輩の、その……耳かきは、ボクだけがいいな。ボクだけ、先輩に耳かきするの。ダ、ダメ? その……」


「うぅぅぅぅっ、ち、違うんですよ。そのぉ……え? ボクだけ? 耳かきしていいのは、ボクだけですか?」


「にゅ、にゅふふふふっ……先輩ったら……もう。先輩ったら、もう! 甘えん坊さんですね。大丈夫。ボクは先輩から離れませんよ。にゅふふふっ」


「それじゃ――マッサージしますね?」


//耳の周りマッサージ 約20秒間

//最初からささやく

「よちよち、先輩よちよち……きもちいいでちゅかー? 後輩女の子の太ももに頭おいて、お耳をマッサージ……いいでちゅよ、先輩? 先輩がしてほしいときは、いつだって、太ももに寝ていいですからね? ……よちよち」


「……はい、終わりました。……にゅふふふっ、先輩ったら。甘い顔してますね。……甘えん坊さん」


//SE ラップ音が響く


「拍手のつもりですかね? ……この幽霊、恋愛脳にもほどがありますよ」

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