トラック3 逃げた先はロッカーの中

//SE 廊下を靴で走る音、二人分


「ハッ、ハッ、ハッ、せ、せんぱぃっ」


//SE 教室のドア開ける音

//SE 教室のドア閉める音


「ど、どうするんですか? ――え?」


//SE ロッカーを開ける音

//SE ロッカーを閉める音


//怯えて小さな声で

「……ロッカーに隠れて……大丈夫ですか?」


//SE 教室のドア開ける音


「きゃっ!?」


//SE 教室を徘徊して足音が鳴る

//SEと同じぐらいのタイミングで緊張した息聞こえる

「……はぁっ、はぁっ……ぁっ、ぁ、ぁっ……はぁっ、はぁっ」


//SE 教室を徘徊して足音が鳴る

//SEと同じぐらいのタイミングで緊張した息聞こえる

//やや泣き声

「……う、うぅぅぅっ、せ、せんぱいっ……うぅぅぅっ」


//SE 教室を徘徊して足音が鳴る

//SEと同じぐらいのタイミングで緊張した息聞こえる

//やや泣き声

「……は、はやく……いって……ぅぅぅっ……」


//SE 足音が遠ざかっていく

//SE 教室のドアを閉める音


「……はぁっ、はぁっ……ぁぁぁぁっ……はぁっ、はぁっ……はぁっ、はぁっ……い、いった? ……いき、ましたか?」


「……だ、大丈夫? ……い、いいのかな?」


//SE 教室のドアが開く音


//驚いたが、大きな声を出さないように抑えている

「――っ!?!?」


//SE 教室のドアが閉まる音


//辛そうな吐息

「……はぁっ、はぁっ……ぅぅぅぅぅぅっ……はぁっ、はぁっ」


//小さく泣きじゃぐる

「……ぁ、ぁぁぁぁぁっ……うぇ、しぇんぱい……ぅぇぇぇぇぇっ」


「……しぇんぱい……しぇんぱい……こ、こわかったよぉぉっ……うぇぇぇぇぇんっ、ぁぁぁぁんっ、もうやだぁぁぁっ、うぇぇぇぇぇんっ」


「……ぐすっ、ほ、ほんとに……いるんですね。幽霊」


「ぐすっ、ごめっ、ごめんなさい……ごめんなさい、せんぱい……うぇぇぇぇぇぇんっ」


「違うの。せ、先輩を、く、苦しめるつもりは、なかったの……でも」


「この怪談……試練を乗り越えたら、結ばれるって……す、素敵なカップルに、なれるって、う、噂が、あ、あああ、あって……ぐずっ、うぇっ」


「しぇ、しぇんぱいと……しぇんぱいと……いいなって……お、思ったのに……ごめん、ごめんなしゃい……うぇっ、うぇぇぇぇぇんっ」


「……んぅぅっ、や、優しくしないで……」


//ホッとしたような声

「あ、ありがとう……お、怒ってないんですか? ボクがこんなとこ、つれて来なかったら……」


「……あ、ありがとう……ございます」


「……え? 試練を乗り越えられなかったら? あ、はい。それは……命は狙われないらしいですけど。その……一生、カップルになれないって、う、噂で……だから、その」


「え? い、いいんですか? だって、幽霊がいるんですよ? それなのに、ほんとに、試練に挑戦するんですか? ……確かに、クリアしなかったら……」


「……ぐすっ。ありがとう……せんぱい」


//物凄く小さな声で

「……やっぱり、すきだな」


//ちょっと恥ずかしそうに

「……うっ、なんでもないですよ」

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