第40話 The Girl's Talk〜②

「今日は亀沢くん、仕事だよね」

「うん。だから、15時位までなら余裕あるよ。そっから後は、洗濯物取り込んだり、お夕飯支度したり…、お風呂お掃除して…」

「マヂで主婦だわ、文ちゃん」

「でも、なんて言うか…、見てて充実?とても嬉しそうなのよね」


 祐美に言われて。

 そうなんだよね。なんか、この生活が日々嬉しいって思ってる。


「うん。ユキヤとの暮らしが…、一緒にいるのがホント嬉しいんだ❤︎」

「「「ごちそうさま」」」


 呆れた?

 でも皆んな微笑ましくとってくれてる?


「で、潤子は?」

「は?何で私に振るのですか?」

「最近、鮎川君と更に仲良くなってるって聞きましたわよ」


 祐美が話題を変えて、深月がそれに乗っかる。


「こないだのバスケ大会、見てたらさー」

「もう、幼馴染ってだけの雰囲気じゃなかったわね」


 まどかや祐美が茶化す。


「そんなに?」


 これは、見に行った方が良かったかな?でも、あの週末は久々のユキヤの仕事バイト休みだったから…、まぁ、昼間っからイチャイチャ可愛がってもらえたんだけどね。


「その証拠に!そこ‼︎」

 まどかが指すのは、潤子の…胸?


 そう言えば?


「知ってます?バスケ部って言うか、体育館内で活動する部活の方が言ってる事は」


『身体は子供、OPは大人!その名は…』


「何ですか?その何処ぞの『』の様なフレーズは⁉︎しかもOPって⁇それにって、あまりにも失礼です‼︎」

「だってねぇー?最近、育ってきてない?」

「そんな事…。そもそも私の胸囲は80cmです。文ちゃんと比べたら」

「あれは比較対象外。ってか人外」

「ちょっと?普通よ⁉︎96なんだから。エリーは100超えたって聞いてるし」

「どこが普通よ。絵里エリーもまだ100超えしてないって、自身が言ってたわよ」


 そんなに声は大きくないと思ったけど、周りの視線を感じてしまった。特に男性。


 こういう視線って、ホント敏感に感じるんだよ。女子が気付かないなんて、マヂであり得ないんだからね。


「その身体つきで80は充分でしょう、潤子。私と殆ど変わりませんよ?」

 深月が穏やかに言う。


 深月は確か160cm以上あった筈、それに祐美も。バスケ部のまどかは170cm超えてるし。

 その意味では、アタシの身長156cmは、この中では2番目に低い。例え潤子との差が10cm近くあったとしても。


 胸の大きさは、トップバストの数値だけでは表されない。アンダーとの差があってカップが決まる訳だし。


 小柄な潤子は、当然ウエストやアンダーも小さい細い。そう言えば、水着姿の潤子は割とボリュームがあった様な。


「ここだけの話、潤子もCあるんじゃない?」

「それはまぁ。でも一般的だと思います」


 どこの下着メーカーだったかな?

 今の売れ筋~中心はCがほぼなんだって。


 ちなみにアタシはG。

 だから、可愛いスタイルの下着ブラとかあまり無い。しかも高い。お店によっちゃ輸入物メインになるみたい。


「春先は、そうでもなかったんじゃ?」

「それは、高校生として少しは育つ事もあったんじゃないの?別に潤子がどうこうって事は」

「そうです。文ちゃんの言う通りじゃないですか。私も成長期の筈なんですから」

「背にいかないだけよね」

「文ちゃんは、どっちの味方なんでしょうか」

「アタシだって、そんなに高い方じゃないし。ユキヤとは20cm離れてるんだよ」

「…私は40cmです」


 つまり鮎川君とは、アタシとユキヤの様な仲だと認める訳だ。


「文ちゃんみたいな、とは…。私達はまだ、その、最後までいっていませんし」

「潤子、高校生はそれが普通よ。文香達は…、ねぇ、亀沢君も健全男子だし、文香が"OK"出せば、遠慮なくするだろうし…、でいいのよね、文香?亀沢君は、貴女の噂も受け入れて…って事でしょうし」

「あー、噂も何も同じ中学オナチューだし、アタシがグレて家飛び出した時、連れ戻してくれた内の1人だし。その意味じゃ全て知ってるわ、アタシの事。アタシがママとやり直せたの、ユキヤのお陰だし」


 感謝してもしきれない恩義想い

 多分その時から芽生え、ずっと消えずに心の奥底にあったモノ想い


 それが今、ユキヤと共にいるに尽くす事に繋がってるから。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る