第39話 The Girl's Talk

 残り1週間…も無い!8月最後の週末。


 もう、殆ど日常と呼べる毎日。文香は、普通に朝食の準備してる。苦笑しながらもママは「ホント、避妊だけはちゃんとしてね」と放任中。一応LAINでやり取りはしてるし、バイト時にユキヤから何かしら報告?もしてるみたいだし。


 今日、ユキヤはこの後1日仕事バイト。アタシはユキヤを送り出した後、何して過ごそうか考えてたトコ。

 グループLAINの着信音。

 この音は、祐美達とのグループLAINだわ。


『お昼、良ければランチでガールズトークしない?』


 即、オッケーって送ると、場所は何処がいいか訊いてくる。


『お任せ。何なら祐美んちラーメンでもいいよー』

『それじゃ、私は仕事になるから』


 あー、成る程ね。

 まどかの提案で、ファミレスになった。


 それじゃ、早いウチに掃除と洗濯、済ませとかなくちゃ。

 通い妻の本領発揮!


 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆


 お昼前。

 指定場所は、駅前中央街にあるファミレス。

 ココなら、祐美んちとそんなに離れてないけど。


「お待たせ!」

「定刻ですよ、文ちゃん。まだまどかさんも深月ちゃんも祐美さんも来てませんし」


 大概1番乗りの潤子が笑う。


「あら?潤子ハラちゃんは兎も角、文香に遅れをとるなんて」

「ちょっと?どーゆー意味よ、祐美」


 アタシの直ぐ後、祐美がやって来て。

 まどかと深月もやって来て、皆、定刻通りに揃った。


「何する?」

「チーズハンバーグの洋風セットB」

「同じでF」

「和風パスタの洋風Aね」

「そうね。薄切りビーフの洋風Bでいこうかしら」


 皆、それにスープ・ドリンクバー付きで。


「は?課題全部終わってる?文香が⁉︎」

「だから、どーゆー意味よ!祐美」

「私と一緒で、ラスト追い込みタイプだと思ってたんだけど」

「以下同文。いや、私は先にするタイプだけど」

「私は毎日、少しずつです。なので明後日位に終わる予定です」

「あれ?じゃあ、終わってないの、私だけ?ウッソ!って、何で文ちゃんが終わってるの?」

「ユキヤが先に終わらせるタイプなの。7月中には殆ど終わってた」

「マヂで?じゃあ、皆で『れじゃすぱ』に行った頃には終わってたんだ」

「凄いわ。愛の力ね」

「数学はユキヤの丸写しだけどね」

「それ、課題修了確認テストでキツくない?」

「は?そんなのあるの?」

数学タカハシならある筈」

「そう思うわ、文香」

「ぴえん。皆がアタシをいぢめる。これはユキヤに慰めてもらわないと」

「ハイハイ、ごちそうさま」


 ドリンクのおかわりを注ぎつつ、デザートをどうするか、メニューを開く。


「パフェ?でも、コッチのケーキも捨て難い」

「夏ならカキ氷一択でしょ」


 改めて、備え付けのiPadに注文打ち込んで。


「そう言えば文ちゃん、ユキヤさんとお墓参りに行かれたって」

「うん。に挨拶してきた」


 深月や潤子は、ハッとした感じ。


「そう言えば、亀沢君のご両親は」

「2年前、事故で。ウチのママが目撃者で、その後も色々面倒みたみたい」

「うん。その頃も同じクラスだったから、その時の委員長と一緒にお葬式、参列したんだ」

「そっか。文ちゃん、同じ北中でしたね」

「うん。だから一人暮らしは知ってたけど、あの頃は一軒家だったと思うんだけどね」

「借家だったみたい。大家さんは家賃とか考慮されてたみたいだけどね。一人暮らしになるからって、ウチの叔母さんがやってるアパートへ越したってママから聞いてるけど」

「みたいね。『カーサ兎波』だもん。でも結構広めの2LDKだよ」

「で、今は文ちゃんが通ってる、と」

「え?あぁ、うん、まぁね」

「これは…、まさか、お泊まりしてる?」

「…」

「みたいね」


 この半同棲バレは、ちょっと恥ずい。

 でも、マヂで妻(仮)のつもりでいる。その意味では恥ずるモノは何もないから。


「夏休みだし。ユキヤんちの掃除やお洗濯、お料理もしてるし」


「「「はいはい。ごちそうさま」」」

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