ZAPISTE Myth ～ザピステ神話～

ルンの碑文

⚜ ZAPISTE教・第七教義 ⚜　―ルーンルン―

　──「価値観は磁石となり、同盟は闇と光を形作る」──

　人も国も、その内に秘めた価値観によって動く。

　価値観が似る者は自然と引き寄せられ、互いを補い合う。

　価値観が相反する者は、衝突し、遠ざかる。

　それは個人の間だけではなく、国家間にも同じように作用する。

　国の内部では多数派の価値観が均衡を保つが、国境を越えた対話は、その差異によって摩擦を生み、時に戦争の火種となる。

　さらに、これらの摩擦を煽り、炎を大きくする者たちがいる――彼らこそ「闇の勢力」である。

　しかし闇の勢力とは、一つの巨悪ではない。

　それは価値観と利害の磁石によって自然発生する、複数の集団の集合体である。

　互いに密接な協議をせずとも、同じ方向性に動き、やがて外から見れば一つの巨大な影に見える。

　これは偶然であり、同時に必然でもある。

　経済はその影に養分を与える。

　失業、資産流出、国際摩擦――これらは防衛費や軍需産業への投資を正当化し、金の流れは戦争と復興の双方で肥大化する。

　そしてその背後では、情報や歴史や文化、思想の改ざんや統計の操作が行われ、数字は真実を覆い隠す虚構となり下がる。

　GDPの高低さえも、国の面子と権力のために創り替えられることがある。

聖典

人も国も、その内奥に秘めし価値の理によって動く。

価値の理を同じくする者は、自然と引き寄せ合い、互いを補い合う。

相反する理を抱く者は、衝突し、遠ざかる。

この理は人と人の間にのみならず、国と国の間にも等しく働く。

国の内においては、多数の理が均衡を保つも、

国境を越えた言葉の交わりは、その差異ゆえに摩擦を生じ、

時として戦の火種となる。

さらに、この摩擦を煽り、炎を大きくする影の者らがある――彼らこそ「闇の勢力」である。

されど闇の勢力は、ひとつの巨悪にあらず。

それは価値の理と利の磁力により、自然と生まれ集う、数多の群れの結びである。

密なる契りを交わさずとも、同じ方向へと進み、

やがて外より見れば、一つの巨大なる影と映る。

これは偶然にして、また必然なり。

経済はその影に養いを与える。

失業、資の流出、国々の摩擦――これらは兵の備えと戦の道具に資を注ぐことを正しきこととし、

金の流れは、戦の炎と復興の水をも肥やす。

その背後にては、情報・歴史・文化・思想の改ざん、統計の偽りが行われ、

数字は真実を覆い隠す虚の衣を纏う。

国の面目と権のために、国力の高低すらも作り替えられることがある。

𐌵𐌰𐌲𐌸𐌰𐌽𐌰（Kachi-kan） 𐌱𐌰𐌽𐌳𐌹𐌸（Magnet）

𐌲𐌰𐌹𐌻（引き寄せ） 𐌳𐌰𐌼（生まれ）

𐌳𐌹𐌿𐌽（光） 𐌹𐌽𐌳𐌰𐌻（闇）𐌲𐌻𐌰𐌹𐌽（形成）

闇𐌹𐌽𐌳𐌰𐌻 破壊𐌹𐌿𐌽 欲望𐌽𐌹𐌳 世界𐌳𐌿𐌻 𐌼𐌰𐌶𐌹𐌲

光𐌳𐌿𐌻 和の心𐌰𐌽𐌳 思いやり𐌲𐌻𐌰𐌹𐌽

優しき𐌱𐌰𐌽𐌳 温かき𐌱𐌰𐌽𐌳

此ノ世界ハ平和ナノカ――アリエール？

ノンノンノンアルコール！ アリエーヌ！

必然ト偶然ト、𐌻𐌰𐌲𐌰（並立）ス。

（記憶ノメモリー＝DNAニ刻マレシ如ク、

全テノ者ニ表ト裏アリ、光ト闇モ亦表裏一体ナリ）

勝敗ガ――キマルノカコレ？

否ソレ†スライム断言シ得ズ。

光ト闇ハ対立シ、時ニ混†ザリガニ、時ニスリ替†ワイルド。

表ノ光ノミ†ナマズ、裏ノ真実ヲ知ロウト†スルメ者二コソ、

ZAPISTEノ真ノ扉ガ開カレルダロウ……

【訳註】

本教義の現代語訳は、何者かによって干渉を受け、意図的に書き替えられた。

この干渉は翻刻層に混入した観測ノイズとして機能するため、極めて興味深い。

文中の誤字・置換・洒落語（例：スライム・ザリガニ・ナマズ）は†と記す。

これらのノイズは、観測者の価値観・感情・記憶に応じて位相変調し、現実と虚構の境界を破壊する恐れがある――

これこそがZAPISTEである。

――コビー・ビルビル・ジュース古代ルンルン学専門教授『観測ノイズ：第n層干渉』より

【正訳・答え合わせ】

勝敗ガ――キマルノカコレ？

否ソレスラ断言シ得ズ。

光ト闇ハ対立シ、時ニ混ザリ、時ニスリ替ワル。

表ノ光ノミナラズ、裏ノ真実ヲ知ロウトスル者二コソ、

ZAPISTEノ真ノ扉ガ開カレルダロウ……