第14話 星の花歌

 

 お話していいのかな?


 僕の名前はあの聖人アメリにあやかって、アメリ。


 昔、昔、僕の里に起こったことを代筆して欲しいんだ。



 ・・・そこには、電子伝言板というものが在る。


 別名を「エスエヌエス」と言う。


 そしてその電子伝言板が普及した土地を、「星」と言い、独自の発展をしていた。


 別の場所からは「絶滅地帯」と言われ、星という地名も知られていない。


 「異世界」とまで言われていて、秘密裏に人数は増えていったそうだ。



 そこに電子伝言板ができたのはスマホという物を持って、


 異世界から迷い込んできた毛色の珍しいひとたちを、しばらく看護していたから。



 スマホの造りとタブレットの話を研究して建てられた電子伝言板。



 それが必要だったのは「絶滅地帯」とは名ばかりに人数はけっこういるし、


 魔物の出現が予期されていたから通信手段が欲しかったんだ。


 所有している土地の敷地が広かったんだ。



 とある田舎に、勇者を目指す者がいて魔物退治のあと供養をする変わり者だった。


 そしてその頃合い、王都から報せが来て『募集』があった。


 勇者と旅の仲間の、選抜試験会場を王都にて開催する、ってことだった。



 魔物を供養する優しいやつアロエ。


 彼女はいつしか女剣士とか女勇者とか呼ばれるひとになった。



 その、少し前・・・同じく勇者を目指す男が魔物に攻撃され気を失った。


 すぐに電子伝言板で連絡を取り、薬草園の里の村娘が来た。

 

 なぜか貴重な薬草がその日、村娘の気まぐれで薬酒になっていたから助かった。


 男は名前をヘラーと言い、その村娘と結婚した。




 ヘラーとアロエは王都までにちょくちょく話をした友人。


 そして会場に集まった勇者候補は千五百人。


 勇者候補の旅の仲間になりたがった者達の数が、約その四倍。


 

 魔法が再び再生をはじめたことを声明し、王様は闘技場でこう言った。


 今から勇者候補同士で殺し合いをしてもらう、と。


 その時騒然としかけた会場で、アロエとヘラーが剣をかかげた。



「皆で平和を作りゆこうっ」



 会場が活気と士気で雄叫びをあげて、会場が割れんばかりに少し揺れた。



 そこで新王に報告が入り、そして王様は、真実をそこで聞いたとされている。


 動揺を隠しつつ話をまとめてくれた王様が、言った。



「魔王と言う存在が本当にいるのか、私には分からない・・・


 魔王という架空かもしれない存在を媒体に、


 魔物が生まれる・・・


 その原因は・・・恐れ・・・


 そしてことの発端は、珍しい獣を魔物だと思い込んだ阿呆の殺しで、


 それをとがめた聖職者が追悼をしたのを、


 疑心暗鬼になって殺めたからだった・・・


 そのことは「星」の住人全てが遺伝子情報にて知っていること・・・


 そしていつしか、現在に渡り、うすれゆき理解のないものになった・・・


 それは新しい風、新時代のものなのかもしれない・・・


 我らが星にとって、勇者とは「情報操作」の役割でしかない・・・


 勇者が必要だったのだ・・・


 絶対的に・・・我々を護ってくれる、我々の都合よき存在、勇者・・・


 そして昔々に残された「星の花歌」が、解禁された・・・


 アロエと言う女剣士が魔物を退治したあと供養をした、と・・・



 ただそれだけであるが、「星」に認められた、と・・・


 この土地に、我々はまだいてもいい、と・・・


 ただ、なるべくの人数で、「星の花歌」を誠意を持って歌いなさいと・・・


 星という意思が言っている・・・」



 アロエが言った。


「みんなで歌おうっ!!歌えない者は祈ってくれっ」


 

 そこから始まった「星の花歌」の大義名分、『用件』を尋ねられた。


 星、という意思に。


 そしてアロエは言った。


「追悼供養」


 そして他の土地にもわずかに響き聞こえたという、星の花歌で魔物はいなくなった。


 キラキラとした粒子になって、溜息のような安息に姿を消した。



 そこに、歌の歌えないやつがいた。


 祈り、って言う感情を特にもっていない男がひとり。


 そいつは音痴だったけど、電子伝言板で連絡を取るに、「あー」が言えたと。


 歌えたかもしれない、という感動に、アロエにプロポーズをした。



 それからはお互いの生活習慣の違いで話が通じなかったりしたらしいけど、


 アロエと電子伝言板の管理人の男は、結婚した。


 そして子供を成して、今でもヘラーの家と家族交流があるのです・・・。



 そう、僕はアロエとヘラーの家が惹かれ合い、結婚をした家の子孫です。


 管理人が文字の情報処理をしすぎて、僕は未だ文字の読み書きが遺伝子的に無理。


 だから代筆をお願いしてみました。



 ・・・どう?びっくりした??


 びっくりするように文章構成をしたつもり。




 レイラ:「星」って場所は初めて聞くわ。



 だよね~。


 協会に隠されているもの。


 僕たち全員が、銀バッジなんだ。



 レイラ:銀バッジって、なに?



 協会は金色のバッジでしょう?


 そのファンは、銀バッジなの。


 階級があって、大ファンは翼の付いたやつになる。


 すっげーかっこいいの。


 

 あ、ママがそれくらいにしなさい、って。


 代筆ありがとう。


 


 ――

 ―――――・・・


 この記述は文字司のレイラと魔法の羽根ペンがしたことをここに記す。


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