第9話 同一スキル



 野良ダンジョン騒動以来、世界のダンジョン攻略は様変わりした。


 アキバダンジョン以外は未だ攻略は進んでおらず、現状維持のままこれ以上攻略を進めない方針になっていた。


 攻略することでまた新たな問題が発生するかもしれないからだ。


 尚、アキバダンジョンは例外として新たに出現した第11階層の攻略が進められていた。


 その為、攻略の進んでいるアキバダンジョンには多くの探索者が集まっていた。




 そんな中、大きな事件が起こった。


 なんとエルフの存在が確認されたのだ。


 まだダンジョン内で目撃されただけだが、異世界人の存在が初めて確認されたのだ。


 この発見により今まで日の目を浴びる事のなかった異世界言語スキルが注目された。


 異世界言語スキル保持者はエルフとのコンタクトの為、ここ最近はずっとダンジョンに潜りっぱなしらしい。


「やっぱりスキルバレないように過ごすのが1番だね」


 そんなことを改めて思った2人だった。





「つっちー、ガチャスキル持ちが他でも出たって」


 ついにガチャスキル保持者がかねやん以外でも現れたようだ。


「へぇ、一般公開してるんだ。何々、内容はかねやんと同じだね」


「うん特に違いはないみたいだね」


 どうやらスキルに差異はないらしい。


「検証色々してくれるみたいだし楽しみだね」


「そうだね。かねやんがやりたがらなかったやつとか知りたいこと多いしね」


 このスキル保持者は様々な検証を行い、それを公開してくれるとのことだ。


「あとやっぱり魔石ガチャで商売するみたいだね」


「まぁリスクないしやらない手はないでしょ」



 このスキル保持者は魔石と代金を支払う魔石ガチャを始めるようだ。


「かねやんはやっぱりやらないの?」


「やらないよ。顔バレとかデメリットが多すぎるし、それに他の人が自分のガチャ回すのなんて見たくないよ」


「そうだね。ここでダラダラしてるほうが楽しいよね」


 この2人が表舞台に上がることはなさそうだった。





 つっちーたちの魔法の練習は大分進んでいた。


 最近だと魔法を武器化させることができるようになっていた。


「かねやんの炎の剣、大分安定してきたね」


「つっちーの風手裏剣もいい感じだね」



 かねやんは炎で剣を実体化させ、つっちーは風魔法の特性を生かした飛び道具、手裏剣を使用していた。


「ねぇつっちー、カッコいいからなんとなくやってるけど実際に使えるのかな?」


「普通の武器よりは強いんじゃないかな」


 このような魔法の武器化はまだ確認されていなかった。


 更にミントたち精霊も使ったことのない魔法だった為、実際有用なのかは不明だった。


「まぁ、モンスターと戦うことなんて早々ないし大丈夫か」


「こないだみたいなのはアキバダンジョンの動向を気にすれば多分対応できるしね」


 細かいことは気にしないことにした2人だった。





 ミントたちと一緒に来るようになったスノウはつっちーたちはボール遊びなど一緒に楽しんでいた。


「毎回連れてきて大丈夫なの?こっちは楽しいからいいけど」


「問題ないわ。スノウにとっても気分転換になるし」


「ええ、向こうだと皆小さいからこうした遊びもできないのよ」


 精霊の国だとすべてがスモールサイズなのでスノウはのびのびと遊べないことがあるのだろう。


 フェンリルは幻獣と呼ばれたりする程の魔獣なのだが、果たしてスノウを犬扱いしていいのものかと考えたが気にしないことにした。


 基本的な教育方針はミントたちに丸投げしているので問題ないだろう。



 ちなみにスノウは氷魔法が使えて、精霊たちが色々教えているようだ。


 つっちーたちは魔法は専門外なのでもっぱら遊ぶ係を担当している。


 こうやって遊べるのもきっと今のうちだけだろうから、スノウには思いっきり楽しんで欲しいと思うのだった。






「そういえばかねやん、こないだ倒したゴーレムの魔石使わないの?」


 ゴーレムを倒し手に入れた魔石はそのままシェルターに保管されていた。


「なんかもったいないかなぁって」


「あら、あの程度の魔石別に珍しくないわよ」


 ミント曰く、こないだのゴーレムは大きなダンジョンだと割りといるモンスターとのこと。


 なのでその魔石も貴重ではないらしい。


「それなら使っちゃおうかな」


「おっ、初魔石ガチャだね」



 かねやんは早速魔石をかざし、ガチャを回す。


 そして現れたアイテムは、


「木彫りの像?えーと『女神の像』だって」


 女神の像と呼ばれるアイテムだった。


「ねぇホムラ、アレってウチにあるのと同じじゃないかしら」


「そうね、同じものだと思うわ」


 それを見た精霊2人はそんなことを言った。



 どうやらかねやんが引いた女神の像は精霊の国にも同じものがあるらしい。


 向こうの世界には神々が存在して、信仰するものたちに神託や加護を与えているとのこと。


 ミントたちが信仰する女神は『精霊の女神』と呼ばれている。


 決して強い力があるわけではないが、古い神の1人で昔から精霊たちを見守っているらしい。



「ねぇこの像どうしたらいいの?」


「あなたたちで使えばいいんじゃないかしら」


「そうね、女神様もきっと喜ぶ」


「置いとくのは別に構わないけど、信者になるのは遠慮したいかな。何かお願い事されても面倒だし」


「確かに。つっちーどうする処分する?なんか罰当たりな気もするけど」



 2人は面倒事の匂いがする女神というワードに拒絶反応を示し、距離をおきたいようだ。


「ちょっと待って!女神様が捨てちゃダメだって言ってるわ」


 ミントが慌てて2人を止める。


「女神様が言ってる?」


「ええ、ミントは巫女だから女神様の神託を聞けるのよ」




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