第4話「オレが何をしたって言うんだよ」
結局、昨日はよく眠れなかった。
というか、オールで朝を迎えた。
そりゃあそうだろう。ギャルと同じ布団、しかも自分に顔面43点、性格18点の烙印を押したヤツ!
誰が落ち着いて寝れるんだよ。
「ほんと童貞くさいねぇ」
「童貞じゃねえよ」
「うっそだあー! え、いつ?」
「中学ンとき。二年かな。そう、あれは半ば襲われるようにしてマネージャーに押し倒され……」
「ちょっと気持ち悪いからやめてくんない? 中二って早熟。高校じゃあモテないのにね」
「ほんとにね。身長183センチ、強豪野球部のエース四番、偏差値61! すごくない? ねえ、すごくない? 運動できて成績も優秀だよ? ねえ、なんでモテないのってくらいじゃない? ねえ……。ほんと……。なんでオレってモテないの……?」
「……顔かなあ……」
がんっと机に頭を押し付けた。
泣きそう。
というか、泣いたって良いと思う。
「顔ってなんだよ顔って……。オレが何をしたって言うんだよォ……!」
「あ、そうそう。あんたも学校来るんだからね。着替えて」
「ウッス」
岸辺に寄越された服と、岸辺を交互に見やる。
え、ちょっと、寝室行くとか、寝室行けとかしてくれないんですか?
「佐次田の裸なんか誰も興味ないから。だいじょうぶ」
「あっそう……」
クラスのギャルと同じ部屋で着替えてる。文面だけなら憧れのハーレムライフなのになぁ。
相手はチート性能ギャルだぜ、チートギャル……。魔法力カンスト系ギャルだぜ……。
ギャルが最強ってこういうことなの? 田中……。
ここにはいないキャッチャーに、心のなかで語りかける。あぁ、悪いことしたなぁ。今ごろ慌ててるんじゃないの。
小学生の頃から組んでたバッテリーの片割れだ。
自分のインフルよりオレの腱鞘炎を心配するようなやつだった。信じられる? 自分の39.4よりひとの手首。
あれはもはや怖かった。狂気を感じたもんね。
「うわ、さすが野球部。背筋すごいね」
「ねえさっきオレの裸に誰も興味ないって言ったん誰だっけ」
「あー、メンゴ。あたし着替えてくるわ。寝室くんなよ」
「うす」
もっとはやくからそうしてくんないですかね!!!
「女の子に無条件でチヤホヤされたい」と思った直後に異世界転移したが現実はそんなに甘くはないようだ。 西貞 @nisisda
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