第3話/「異世界転移したら女の子と同じ部屋、同じ布団で過ごすことになった件」

「教員に言ってこようか、別の部屋にしてくれって」

「別にいいよ、使い魔といっしょに暮らすん校則だしぃ、アンタが玄関で寝るだけだし」


 いやそれが問題なんだけど。

 信じられる? 甲子園出場校のエースで四番が転移? 転生? したらギャルと同じ部屋になって玄関で寝てるとか。

 いやなんだけど。


「そんなにイヤならあんたが布団使えば?」

「あのね岸辺、そういう問題じゃないのよ。そりゃ布団で寝れないのは辛いけどさ……」


 おまえを床で寝かせるとか、床で寝かせるとか、絶対、女子敵に回すじゃん!

 女子って怖いんだぜ、一軍女子。

 ほんとに怖いんだよ、ていうか、三軍女子でもちょっとイジったら一軍女子ごと敵になるんだ、女の団結力ってすげえよな。


「あー、じゃあ接束案ってことで、同じ布団で寝ればいいじゃん。あんた使い魔でしょ」

「いやいやいやいや、バカなの? 頭ないの? おれ男だよ? ンッ?」

「あんたにあたし襲う度胸なんかないでしょ。大体、今あたし魔法使えるし。なんか魔法力調べるやつあるじゃん」

「あー、異世界あるある」

「あれカンストだから」

「カンスト」

「カンスト」


 チート性能そっちかよ!

 もうやだ、なんでそうなるの。

 異世界転移したら女の子と同じ部屋、同じ布団で過ごすことになった件。


 あぁ、夢のようだ。


 夢であってくれ、頼むから。

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