第50話「明日の弁当もきっと」

春の柔らかな日差しの中、めぐるはいつものようにリコリス弁当を開けた。

そして、ふわっと広がった香りに思わず目を細める。


今日の献立


ご飯


味噌汁


漬物


クーブイリチー(沖縄風の昆布炒め煮、滋味深く栄養満点)


ごま酢和え(さっぱりした酸味で全体をまとめる)


大学芋(黄金色に輝く、最後の甘味)


「……今日は沖縄だ!」

七海れいが歓声をあげ、早速スマホで写真を撮る。

「昆布に芋に、ごま酢……なんか旅に出た気分!」


星南はクーブイリチーを豪快に頬張り、「肉ないのに旨いじゃん! 昆布で飯が進むとかアリかよ!」と目を丸くする。


静香は大学芋を見て、「最後に糖質でエネルギー補給。栄養学的にも理にかなってる」と相変わらずの分析。


小夜は小さく笑って、「甘いもので締めるって……なんか“完結”って感じだね」と呟いた。



めぐるはご飯とクーブイリチーを口に運びながら思う。

(最初はただの宅配弁当だったのに……気づけば毎日の楽しみで、みんなと笑い合う時間になってたんだ)


ふと、献立表の隅に目が止まる。


──監修:山岡るり


「やっぱり、この人が全部支えてるんだね……」

でも正体はまだ、誰も知らない。



エピローグ


食べ終わり、空を見上げためぐるは小さく微笑んだ。


「……明日の弁当も、きっと楽しみすぎる」


──『明日の弁当が楽しみすぎな件』第一期・完

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『明日の弁当が楽しみすぎな件』 猫師匠 @neko5150

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