第32話「ハンバーグの法則?」

昼休み、日向めぐるは今日のリコリス弁当を開けて、思わず声を上げた。


今日の献立


ご飯


味噌汁


漬物


照玉ハンバーグ(照り焼きソース+目玉焼き)


ベーコンスパゲティ(洋風副菜)


野菜のマリネ(酸味でさっぱり)


「……あれ? またハンバーグだ」

めぐるは目を丸くした。

「カレーも魚も定期的に来てたけど……ハンバーグも?」


七海れいが笑う。「定番だし、子どもから大人まで人気あるしね」

乾静香は、例によって真顔で分析を始める。

「ハンバーグはバリエーションを変えやすい。デミ、和風、おろし、照焼き……。栄養も組み合わせ次第で自在。だから“定期的に登場”してるんだと思う」



めぐるは照玉ハンバーグに箸を入れる。

黄身がとろりと流れ、甘辛い照り焼きソースと絡み合う。

「……美味しい。でも、やっぱり偶然じゃないよね」


その時、学食の隅で 柴田芽依が弁当を食べているのが目に入った。

彼女も全く同じ“照玉ハンバーグ”を頬張りながら、呟く。

「……これ、歌詞書いてる時に欲しかったやつだ」


(やっぱり、人に合わせてるの?)

めぐるの胸に、またひとつ疑問が芽生えた。


食後、献立表をふと見れば──


──監修:山岡るり


めぐるは小さくつぶやく。

「……やっぱり、この人がぜんぶ仕組んでるんだ」

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