第19話「ふりかけの秘密」
日向めぐるは、弁当の蓋を開けた瞬間、思わずニヤけた。
……ご飯の上に、小さなふりかけ袋。
納豆、海苔の佃煮に続く“ご飯のお供シリーズ”第三弾だ。
昼休み、大学の中庭。
めぐるがふりかけを開封すると、隣で同じくリコリス弁当を食べていた北山望が声をかけてきた。
「それ、俺知ってるぞ。町田の小さな乾物屋が作ってるやつだ」
「えっ、また知ってるの?」
「乾物屋の息子がモケ女倶楽部のメンバーなんだよ。大会用の塗装ブースを俺が貸したことがあってな……そのお礼にこれをもらったんだ」
なるほど、リコリスのご飯のお供は本当に“人のつながり”でできている。
ふりかけをかけたご飯は、豚バラの旨味と一緒にかきこむと至福の味。
「……これ、集めたらご飯のお供マップ作れそう」
「お、いいじゃん。佃煮、納豆、ふりかけ……あと足りないのは?」
「漬物はもうあるし……あ、梅干し!」
めぐるの頭には、すでに次の献立と新しい“秘密”探しの計画が浮かんでいた。
この日常は、まだまだ美味しい謎でいっぱいだ。
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