第46話 新生の萌芽とそれぞれのゆるい道

『世界調和装置』の起動で世界の危機をサクッと解決し、アークスはんとも和解してから、数週間が経ったんや。

『生産型移動要塞『フロンティア号』』は、今日も空をゆったりと移動しとったわ。窓から差し込む陽の光が、船内を明るく照らしとる。

ミオの工房は、文字通り「動く世界の中心」や。

(うわぁ、世界平和って、ほんま簡単に実現するんやなぁ!うち、天才かもしれへん!)

ミオは、フカフカソファに埋もれて、資材スライムをモフモフしながら、至福の時を過ごしとった。

資材スライムは、ミオの膝の上で、気持ちよさそうにぷるぷると震える。ひんやりと、そして柔らかい感触が、ミオの心を癒す。


世界は、ミオの生産技術によって、新たな時代を迎えたんや。

各地の空には、もう次元の壁の綻びはなく、澄み渡る青空が広がっている。

大地は、豊かな緑を取り戻し、人々の顔には、希望に満ちた笑顔が浮かんでいた。

各国、各勢力は、それぞれ新たな道を築き始めたんや。


ライオスたちは「暁の剣」として世界の平和をゆるやかに守る英雄になった。

彼らはフロンティア号に乗って、世界各地を飛び回り、ミオのパンと、一振りで壊れるけど強烈なチート武器で、困っている人々を助けている。

「ミオさんのパンがあれば、どんな魔物も怖くないぜ!」

ライオスが、パンを頬張りながら興奮気味に言う。彼の瞳は、英雄としての誇りに輝いている。

シエラは「美味しいもの情報ギルド」を設立し、世界中の美味しいものを探しとる。彼女の報告書は、ミオの新しいお菓子のヒントになったりするんや。彼女のギルドは、世界中の美食家たちの間で、すでに有名になっていた。

フィオナは世界中の病人にお菓子を配る活動に尽力しとる。彼女が配るお菓子は、ミオの作ったものやから、食べた人はみんな笑顔になるんや。

「ミオ殿の作ったお菓子は、何よりも人の心を癒しますわ」

フィオナが、優しく微笑む。彼女の周りには、常に子供たちの笑顔が溢れていた。


アルフレッド王子、リリアーナ王女、ルナリア姫も、それぞれの立場で新生の世界をゆるやかに導いている。

アルフレッド王子は、ミオの生産技術を国中に普及させ、国民の生活を豊かにしとる。彼の治世は、賢王として後世に語り継がれるだろう。

リリアーナ王女は、元気になった体で、各地の病院や孤児院を訪れ、ミオの薬を広めている。彼女の笑顔は、多くの人々に希望を与えていた。

ルナリア姫は、人間と魔族の文化交流をさらに深め、工房に遊びに来ては、ミオの作った新しいスイーツに目を輝かせとる。

「ミオよ!この『次元フルーツタルト』は、まさしく至宝だ!魔族の里でも大流行だぞ!」

彼女は、魔族の里に、ミオの工房の支店を作る計画まで立てているらしい。


アークスは、ミオの工房の技術顧問(お菓子食べ放題!)として、工房で「生産」を手伝うことになったんや。

彼は、相変わらず世界の「再構築」について熱弁しとるけど、ミオのお菓子には勝てへんかったみたいやな。

資材スライムたちが、アークスの周りを嬉しそうに飛び跳ね、彼が破壊しようとしたものをモグモグ片付ける。

アークスは、資材スライムたちに振り回され、どこか生き生きとしとる。

「ぐぬぬ……甘い!甘すぎるぞ、だがそのお菓子は最高に甘い!」

アークスのセリフも、もうすっかり工房のBGMみたいになってたわ。彼がそう言うたびに、資材スライムたちが「ぷるる~♪」と嬉しそうに跳ねるんや。


資材スライムの広がり:

資材スライムは、ミオの生産と魔力の活性化により、さらに増殖した。

彼らは、王都の工房だけでなく、世界各地の工房や農場に「派遣」されるようになったんや。

資材スライムたちが、各地の生産を助けている様子が描かれる。

例えば、ドワーフの鍛冶場では、銀色のスライムが鉄を精錬し、ゴルムはんが「まさか、スライムが儂の技術を超えるとは!」と頭を抱えとる。

エルフの森では、緑色のスライムが植物の育成を助け、エリアスが「これは、まさに奇跡だ!」と目を輝かせとる。

獣人の集落では、資材スライムが新たな薬草を見つけ出し、タオが目を丸くしている。

彼らが集まると、その場所が「ちょっとだけ」豊かになるという伝説が生まれたんや。

「あのぷるぷるした可愛い生き物が来ると、作物が豊作になるらしいぞ!」

そんな噂が、世界中に広まり始めた。


ミオの工房は、まさに異世界の中心。技術と文化の交流拠点となっとる。

世界は、ミオの生産技術によって、今日もゆるやかに、そして平和に回り続けるんや。

(うわぁ、世界って、こんなに平和でええんやなぁ!)

ミオは、フカフカソファに埋もれて、資材スライムをモフモフしながら、満足そうに頷いた。

工房の窓からは、今日も輝く王都の街並みが広がり、その上空には、フロンティア号の巨大な影がゆったりと漂っていた。

この平和な日常が、ずっと続くことを、ミオは願っていたんやな。


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次回予告


すべての騒動が一段落して、うちの工房には平和な日常が戻ってきたで!

資材スライムはんたちと、のんびり引きこもりライフを満喫できるんやろか!?

でも、世界にはまだ解決すべき「ちょっとした」問題が残ってるんやて!?

次なる冒険は、一体なんやろか!?

次回、チート生産? まさかの農奴スタート! でも私、寝落ちする系魔女なんですけど!?


第47話 生産者の物語は続く、今日も楽しく!


お楽しみに!

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