第47話 生産者の物語は続く、今日も楽しく!

『世界調和装置』の起動とアークスはんとの和解から、はや数ヶ月。

『生産型移動要塞『フロンティア号』』は、今日も空をゆったりと移動しとったわ。

ミオの工房は、文字通り「動く世界の中心」や。

(うわぁ、世界平和って、ほんま簡単に実現するんやなぁ!うち、天才かもしれへん!)

ミオは、フカフカソファに埋もれて、資材スライムをモフモフしながら、至福の時を過ごしとった。

資材スライムは、ミオの膝の上で、気持ちよさそうにぷるぷると震える。ひんやりと、そして柔らかい感触が、ミオの心を癒す。


工房には、王族や魔族、冒険者、学者、職人……。

みんなが毎日入れ替わり立ち替わりやってきて、賑やかやった。

アークスはんも、工房の技術顧問として、お菓子を食べながら資材スライムと謎の交流を深めとる。

「なぜワタシの破壊の力がこの粘液に吸収されるのか!」

アークスは、真剣な顔で資材スライムを見つめる。

「ぷるる~?」

スライムたちは、アークスの周りで、破壊の魔力をモグモグしながら首を傾げとる。

(ほんま、平和な風景やなぁ……)


世界は、ミオの生産技術によって、新たな時代を迎えたんや。

各国、各勢力は、それぞれ新たな道を築き始めた。

ライオスたちは「暁の剣」として世界の平和をゆるやかに守る英雄に。

シエラは「美味しいもの情報ギルド」を設立し、世界中の美味しいものを探しとる。

フィオナは世界中の病人にお菓子を配る活動に尽力しとる。

アルフレッド王子、リリアーナ王女、ルナリア姫も、それぞれの立場で新生の世界をゆるやかに導いている。


資材スライムは、ミオの生産と魔力の活性化により、さらに増殖した。

彼らは、王都の工房だけでなく、世界各地の工房や農場に「派遣」されるようになったんや。

資材スライムたちが、各地の生産を助けている様子が描かれる。

例えば、ドワーフの鍛冶場では、銀色のスライムが鉄を精錬し、ゴルムはんが「まさか、スライムが儂の技術を超えるとは!」と頭を抱えとる。

エルフの森では、緑色のスライムが植物の育成を助け、エリアスが「これは、まさに奇跡だ!」と目を輝かせとる。

獣人の集落では、資材スライムが新たな薬草を見つけ出し、タオが目を丸くしている。

彼らが集まると、その場所が「ちょっとだけ」豊かになるという伝説が生まれたんや。

「あのぷるぷるした可愛い生き物が来ると、作物が豊作になるらしいぞ!」

そんな噂が、世界中に広まり始めた。


そんな平和な日常の中で、世界にはまだ解決すべき「ちょっとした」問題や、ミオの「究極の生産」が求められる場所がたくさんあったんや。

世界各地からの新たな依頼が、工房に届く。

「ミオ様!もっと美味しいパンを!我が国の特産品として!」「自動で洗濯してくれる服を開発してくだされ!貴族の館の洗濯担当が困っております!」

未発見の素材の報告も、毎日届く。その中には、資材スライムたちが「ぷるる~!これ、美味しいぷる!」と喜ぶような、珍しい素材もあったんや。

そして、「次なる転生者の噂(なんだか面白いやつらしい)」なんて話も、たまに耳にするようになった。もしかしたら、アークスはん以外にも、転生者がおるんかもしれへんな。


ミオは、工房で、相変わらずものづくりに勤しむ。

彼女の生産は、もはや単なる便利品作りではない。世界の未来をゆるやかに創造する行為へと昇華されているんや。

(必要かどうかちゃうねん。作りたいから作る!それがうちのロマンやねん!この世界、うちの創造力でどこまで面白うなるやろ!?)

ミオは、にっこり笑いながら、新しい魔道具の設計図を広げていた。その瞳には、尽きることのない好奇心が輝いている。


ミオの能力の代償である眠気は、もはや恐怖やのうて、最高の昼寝タイムとなり、新たな創造のインスピレーションの源となっとる。

眠気の中に、世界の記憶や未来のビジョンが浮かび上がり、資材スライムたちが夢の中のミオの周りで、そのビジョンを具現化するように踊っている。

(うわぁ、こんなに気持ちええ昼寝、前世では絶対無理やったやろなぁ……)

夢の中で、ミオは、王都の上空に浮かぶ「空中都市」や、海底に広がる「海底国家」の設計図を眺める。

そこには、資材スライムが住み着いた、新しい生態系が広がっていた。

(あー、めっちゃ面白そうやん!いつか、あそこにも行ってみたな!)

ミオの意識は、眠りながらも次なるロマンへと向かっていた。


工房の片隅では、資材スライムたちが、ミオの作ったアイテムを使って、楽しそうに遊んでいる。

例えば、魔法電子レンジで温めたクッキーを、魔法水洗トイレで冷やそうとして、ミオに怒られたり。

その傍らには、ミオの技術を受け継ぎたいと願う、アルティ村からやってきた少年(ティナの弟のリュウや)の姿があった。

リュウは、ミオが昔使っていた『天穿鍬ヘヴンブレーカー』のミニチュア版を手に、真剣な顔で畑の土を触っている。彼の顔には、師であるミオへの尊敬の念が浮かんでいる。

資材スライムが、リュウの周りで嬉しそうに遊び、素材を提供している。リュウが土を掘ると、緑色のスライムが「ぷるぷる!」と珍しい根っこを吐き出し、リュウは目を丸くする。

リュウが持つ粗末な木製の農具の柄は、かつてミオが初めて作った『天穿鍬ヘヴンブレーカー』の柄と同じ、特別な由来を持つ木(世界樹の欠片が宿る古木)であったことが、微かに示唆される。この木は、世界樹の雫が採れたダンジョンで、資材スライムが見つけてきたものや。

リュウがその農具に触れた時、ミオの能力の代償「眠気」が変質して残した、彼女の記憶や創造の“微かな光”を感じ取る。

「この鍬、なんだか温かい……そして、とっても美味しい匂いがする!」

リュウがそう呟くと、資材スライムたちが「ぷるる~♪」と嬉しそうに跳ねた。

ミオは、今日も資材スライムをモフモフしながら、未来のロマンに思いを馳せていた。


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次回予告


すべての騒動が一段落して、うちの工房には平和な日常が戻ってきたで!

資材スライムはんたちと、のんびり引きこもりライフを満喫できるんやろか!?

でも、世界にはまだ解決すべき「ちょっとした」問題が残ってるんやて!?

次なる冒険は、一体なんやろか!?

次回、チート生産? まさかの農奴スタート! でも私、寝落ちする系魔女なんですけど!?


第48話 チート生産? まさかの農奴スタート! そして、夢は世界を創り続ける


お楽しみに!

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