全話拝読しました。
双子の兄極夜との、突然の別れ。そして20年後、突然の再会ーー神父でありながら神に心を捧げていない白夜の矛盾が、繊細に描かれていて惹き込まれました。
「神などいない」と口では言う白夜、「神はいる」と言う極夜。ここの対比が美しくて、息を呑みます。そして、この極夜の言う神とは……ご自身の目で、ぜひお確かめください。
また、兄の極夜を「狂人」呼ばわりするわりに、食事や入浴など、生活の端々に懐かしさを感じているところが「素直じゃないな(笑)」とニヤついてしまいました。
ですが読み進めるたび、極夜に対する白夜の不安がにじんでくることで、ほのぼのからシリアスにシーソーするんですよね。
この絶妙なバランスに導かれて、最後のページまで辿り着きました。
最後に、作者の西海子様へ
ふだんあまりBLに触れないのですが、この物語はただ甘いだけではないと確信して進んで行ったところ、ハッピーなラストに出会えました。双子の関係性と、白夜の内面が本当に好きです……! 素敵な作品をご紹介いただき、ありがとうございます!