愛と友情のぱぅわー

「スラリンもさぁ、毎回毎回俺ばっか食べて飽きない?  ちょっとは違う食べ物にしたいよなぁ。」

「オレサマオマエマルカジリ。」


「かじってないじゃん? 毎回溶かしてるじゃん?」

「僕は悪いスライムじゃないよ。」

「キャラ安定させろよ! 話はそこからじゃない? ブレすぎてキャッチャー役の俺が大変すぎる! そんなにフレーミングの技術がないから微妙なボールをストライク判定にさせる技術なんてないんだよ。」

「人のこと、ガチャピンの目っていったこと、忘れてない。

「そこ、根に持つんだ。 っていうか人なの?」

 スラリンがじりじりと距離を詰めてくる。

 俺は手元の神剣に目を向ける。

 やっぱり無理だよ!


「俺はこの世界で死に続けるしかないのか……」

「そんなことはない!!」

 俺の手の中にある金平糖が光り輝く!


「俺達はずっと君を応援していた!」

「そうだぜ! おまえは一人じゃない!」

「ふっ、後は任せろ!」

「僕だって君の力になれる!」

「馬鹿ね、あなたが一人なわけないじゃない……」

「力を合わせてアイツを倒すぞ!」


 金平糖から声がする。

 力強いメッセージが! 俺の心に響く!


「お前達…… 誰や!!!」

 さらに金平糖は光を増し、空を輝かせる!!


 ――system message――

 空に浮かび上がる仲間達の面影……

 これまで共に戦った6人のスターメイカー達……

 

 ありがとう! ★!

 ありがとう! レビュー!


 彼らの姿が勇者一朗太の魂を震わせる!


「いや、だから誰よ! 漫画でよくあるライバルの顔が背景に浮かぶやつ、それ!! しかもスラリンも混ざってるじゃねぇか! 敵が一緒になって語ってんじゃねぇ!」


「「「「「「いけーーーーー 一朗太ーーー」」」」」」


「お前ら適当に言ってんじゃねぇ!! やめろ、背中を押すな!!」


 地面に轍を作りながら俺は必死に耐える!

「死ぬのは嫌じゃーー へるぷ! あいにーどへるぷ!!」


「「「「「「俺達はおまえを信じてるぜ……」」」」」」


「やーーめーーろーーーー」

 そして俺の意識は途絶えた。



「おお、勇者よ。死んでしまうとは情けない。」

「にっこにこやな、おまえ!」

「しかしのぅ、こう展開がないとおまえを復活させてもそろそろ飽きてしまうかもしれんのぅ。」

「勝手な事ばかり言いやがって。 こんなクソゲーでどうにか出来るヤツがいたらそいつにやらせろ!」

「そうやってすぐに諦めるのは貴様の悪いとこじゃ。 だから読者も増えんのだ。」

「どうすりゃいいんだよ……」

「ふぅ……仕方ないのぅ……」

 おっさんはゴソゴソとポケットをまさぐり、星を一つ、大きな星の下につけた。


「仕方ないって言うだけかよ!」

「まぁ、あと何回かは様子を見ることにするがのぅ……動きが無ければ……」

 自分の首を絞めて舌を出して白目を向くおっさん。

 絵面が不快しかない。


 そのジェスチャーの意味するところは察することが出来るが……死んでからさらに死ぬの、俺?

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