緻密な文章の底にある不安感
- ★★★ Excellent!!!
とある特徴を持つ奇形の魚が捕れた、という話から物語はスタート。
普通なら地方のちょっとした騒動で片付けられてしまいそうなそれは、しかし何故か大掛かりな調査隊が組まれる結果に。
ヒレが人間の手になった魚。
噂よりもずっと多い奇形の魚の数。
魚でありながら視線を向けられているような感覚。
何処からか向けられてくる何者かの視線。
徐々に不穏な要素が積み重なっていくのが不安感を掻き立てられます。
一方で調査隊の面々の会話が和やかかつ冷静なだけに、なお一層不安要素が引き立っています。