第3話
「……(どこに行けば良いの?)」
上機嫌な様子を見せて神の声、アリアに聞く。
『残念ながらみさちゃん兼リーナちゃんが明確に指定してくれないと答えられません』
アリアは楽しげな声でリーナに伝える。
「?」
突然、アリアが彼女の名前呼びをしたために違和感を感じた。
「……(ワールドデストラクション、神の声はこんなに馴れ馴れしいのかな? まるで生きてる人と会話している感じだね)」
リーナは不思議そうな表情を見せた。
『あらあら、リーナちゃん考えごとかしら?』
「……」
アリアが明るい様子でリーナに声をかけてくる。
「……(とりあえずどこに行けば生き残れる)」
リーナは考え始める。
『リーナちゃん、補足で伝えますが、ワールドデストラクションは運命、因果、修正する力が大きく働くので気をつけてね』
アリアは上機嫌な声でリーナに言う。
「……」
ワールドデストラクションはゲームの世界であることを考えれば、必ずシナリオ通りに終わらせるように修正が入るということだろう。
『リーナちゃんの考えている通りだよ』
アリアはリーナの考えを見通すように答える。
「……(でも、アリアの言葉には死なない可能性、方法はあると言ってたね)」
リーナはゆっくりと呼吸を整えて考える。
「(結局どこかの星に行っても死なないのは回避出来るかもしれないが、いずれ何かに殺されるのかな)」
リーナは暗い表情を見せる。
『みさちゃん、暗いことはあんまり考えすぎないようにしないと』
アリアは優しい声でリーナに声をかける。
「……(だって、大好きなリーナを幸せにしたりハッピーエンドに出来ないのが可哀想なんだよ)」
リーナは涙を流し始めた。
『……リーナちゃん、ハッピーエンド、幸せにする方法はあるよ』
「!?」
リーナは明るい表情を見せる?
「……(どうすればいいの?)」
アリアに真剣な表情で口をぱくぱくする。
『簡単だよ』
アリアは声のトーンが低くなる。
「?」
リーナはアリアの言葉を待つ。
『強くなれば良いのよ』
「……(強くなる?)」
アリアの言葉にリーナさハテナを浮かべる。
『運命、因果、修正という名の理不尽を覆すことが出来るぐらいにリーナちゃんが強くなれば解決できるわよ』
アリアから力強い声でリーナに伝える。
「……(どうやれば、強くなれるの?)」
リーナは純粋にどうやって強くなるわからないため、アリアに聞く。
『……追放星に行けば、リーナちゃん次第だけど、強くなれる可能性があるわよ』
アリアは声を低くして言う。
「……(追放星?)」
追放星とは、名前の通りで罪人や追放者、囚人達が送られる惑星である。
「……(確か)」
追放星は入ったら最後2度と出て来れない惑星である。
「……」
ワールドデストラクションでは追放星に選択肢はあった。
追放星に行くとメッセージは「真っ白な世界が続いている」という表示だけしかされない。
マウスやキーボードで押し続けても、「真っ白な世界が続いている」というだけしか出ずにバグかなと思った。
公式に問い合わせた結果「バッドエンドです」と解答が返って来た。
追放星は実際にどんな惑星かわからない星である。
「……(追放星は得体の知れない場所ではある)」
リーナは真剣な表情で考える。
『信じるか、信じないかはリーナちゃん次第だよ』
「?」
アリアは優しい声で言う。
『神の声、アリアちゃんはきっかけを与えるだけの存在なの』
アリアは上機嫌な様子でリーナに言う。
「……(きっかけか)」
リーナはゆっくりと呼吸を整える。
「……(アリア、追放星に行く方法は?)」
リーナは真剣な様子で口をぱくぱくする。
『アリアの力で転送すれば行けるよ』
「……」
リーナはこくこくと頷く。
ワールドデストラクションでは、序盤から行ける場所に何故か追放星だけは行けるのである。
「……(アリア、転送をお願い)」
『はいはい』
リーナの言葉と同時にアリアは転送をする。
「!?」
リーナの部屋の風景が変わった。
「……?」
周りは薄暗く、目の前には大きな扉があった。
「……(これが)」
『追放星の入り口、次元の門だよ』
アリアは言葉にする。
『覚悟は良いかしら?』
「……」
リーナはゆっくりと呼吸を整えて、こくこくと頷く。
「……」
リーナはゆっくりと大きな門に近づくと門が開いた。
「!?」
リーナは門が開き驚いた表情を見せる。
「……」
リーナはゆっくりと開いた門の中に入った。
「……」
入った瞬間、周りの景色が真っ白だった。
リーナの運命は!?
そして、ライフワールドのシナリオが大きく変わろうとしていた。
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