第4話 襲来する変態オブザゴッド老害?

「……(これが)」

『追放星よ』


 アリアは答える。


「……」


 リーナは周りを見ると、全ての景色が真っ白であり、地面も白い砂で柔らかい足場である。


「……?」


 真っ白い景色の中に何か大きな影が突然表れた。


「……(何)?」

『……(あら、これは?)』


 リーナが見ている影をアリアも不思議な感覚で見る。


「!?」

『え?』


 リーナ、アリアの目の前に小さな砂嵐が吹きはじめ目を閉じた。


「……?」

『(あら)』


 リーナは目を開けると身長3mの筋肉男が顔をガスマスクで覆い隠して、上半身アミタイツを着ている。更に男の人体急所を葉っぱで覆い隠している以外下半身は裸である。


「シュコーシュコーシュコー」

「……(何)?」

『……(介入が早いわね)』


 リーナは目の前にいる異形的な変態者を見て後ろに下がる。


「シュコー!シュコー!(シナリオ通りに動かない悪い子は君かな)」


 男が口をシュコーシュコーしながら会話する。


「……(アリア通訳出来る?)」

『拒否します』

「……(え)?」


 リーナはアリアに通訳を頼むと拒否されて戸惑った様子を見せる。


「……(アリアこの目の前にいる変質者もとい変態の情報を)」


『キョヒシマス』

「!?」


 アリアは無機質な声で拒否する解答が返ってきた。


「シュコー! シュコー!(君はゲームの駒である存在なんだからライフワールドに戻って貰わないと困るんだよね)」


 シュコーシュコーと荒い息をしながら男は身振り手振りをしながら伝える。


『……なんで、あんたがいるの?』

「シュコ?(おや)」


 男は聞き覚えのある声を耳にして、キョロキョロと見渡す。


「……(知り合い?)」

『シリマセン、シリタクモアリマセン、キオクカラショウキョシタイデス』


 アリアから無機質な声で返ってきた。


「シュコー! シュコー!!(おやあ、聞いたことある声と思ったらアリアじゃないか)」

『(げ、バレた)』


 息づかい荒い様子で男は言う。


「……(誰)?」

『……ゴッドオブ老害だよ』

「……(ゴッドオブ老害)?」


 リーナは聞いたことない単語が出て来てハテナを浮かべる。


『天界で星を監視する存在なの』


 アリアはリーナだけに聞こえる声で伝える。


「シュコー! シュコー!(そして、俺様はGMGグレードマスクザゴッド老害だ!)」


 アリアの声に反応するようにマッスルポーズを決め始めた。


「……?」


 ワールドデストラクションにはそんなGMGという存在は出てきてなかったはず。


「……(たしか)」


 ワールドデストラクションの設定資料集に惑星を天界が常に監視しているということを書かれていたことをリーナは思い出す。


「シュコー! シュコー!(さあて、リーナちゃんはライフワールドに戻って貰おうかな)」


 男はゆっくりとリーナに近づいて来る。


「……!」


 リーナは後ろを向いて走り出す。


「シュコー! シュコー! (逃がさないよ)」

「!?」


 いつの間にかリーナの目の前にGMGが表れた。


「シュコー! シュコー!(捕まえた)」

「!?」


 男はリーナの身体を片手で摘まむように捕まえた。


「!」


 リーナは手足をバタバタとする、


「シュコー!! シュコー!!(さあて、おとなしくライフワールドに帰りな転移)」


 男は興奮した様子でリーナを転移しようとする。


「シュコ?」


 男は転移を発動しようとするが反応がなかった。


『GMG、無駄よ』

「シュコ?」


 アリアの言葉にGMGが反応する。


『追放星はリーナちゃんの意志で帰りたいと望まないとライフワールドの転移は無理だよ』


 上機嫌な声で言う。


「シュコー! シュコー!(それなら予定変更だ。この子を帰りたくなるぐらいまで痛めつけよう)」

「!?」


 GMGはリーナの身体を地面に叩きつけた。


「……(痛)!?」


 意識を失った。


「シュコー! シュコー! (起きろ)」

「!?」


 リーナの頭に水が落ちてきた。


「シュコー! シュコー!(さあ、ライフワールドに帰るぞ)」


「……」


 リーナは必死に首を横に大きく振った。


「シュコー!(それなら何度も地面に叩きつけるまでだ)」


「!?」


 ドンと身体に衝撃が走り痛みを感じた。


「シュコー! (諦めな!)」

「……(嫌だ! 諦めない!)」

「シュコー!(なら、壊れない程度に痛めつけてやる)」


 そして、男によるリーナを痛めつけがしばらく続いた。


 追放星は死ぬことが出来ない星であり、大怪我をしていてもすぐ自己治癒されてしまう。


「シュコー! シュコー!(人間、ゴミ風情が!)」

「!?」


 男がリーナを軽く踏みつけてグリグリとする。


「シュコー!! (ライフワールドに帰れ)」

「……!?」


 諦めた表情を見せずにリーナは上から男を見る。


「シュ?」

「?」


 男はリーナに踏みつけを止めて、後ろに下がった。


「シュコー!?(なんだ、今の違和感は)」


 男はリーナの瞳があった瞬間、反射的に後ろに下がった。


「……シュコー? (何でゴミ風情に対して後ろに下がる)」


 男はどうして、後ろに下がったのか理解出来ない様子を見せる。













『予定とは違うけど、GRゴッドオブ老害を越える人間が誕生するわね』


 アリアはリーナの様子を見て楽しげな声で言う。


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