第2話 能力
「……」
彼女が瞳の色が変化するのを鏡から確認する。
ワールドデストラクションは聖女リーナ=グレイスの能力に未来視がある。
能力は名前の通り未来を見ることが出来る。
但し、どの時間で起こるかわからないのである。
ワールドデストラクションはイベントがランダムであり、未来視をしても、その場所にたどり着かないということがある。
ゲームシステムの中では全く使われていない能力である。
「……」
彼女は左目の赤い瞳で窓から遠くを見始める。
「!?」
目と脳内に映像が入り込むように場面が見えた。
「……(っう)」
彼女は驚き目をつぶった。
「……」
ゆっくりと彼女は目を開けると蒼色に戻っていた。
「……」
彼女はこくこくと頷き納得した表情を見せる。
「……(時間がない)」
彼女は未来視を発動した。
「!!?」
脳内、目に映像が入り込んで来た。
「……(っう)」
彼女は見た映像を見て吐き気や嫌悪感に襲われる。
「……」
彼女は呼吸を整えて何度も未来視を発動した。
「……(だめだ)」
彼女は何度も未来視を使ったが、全てリーナの死ぬ場面だけが見えた。
「……」
彼女は解決の糸口を探そうと考える。
「……(どうする?)」
彼女はキョロキョロとし始める。
「……」
ふと、彼女は静かすぎるなと思い始めた。
「……」
確かゲームだったら……?
「……(リンク)」
彼女は口をぱくぱくして心の中で言葉にすると右目の瞳が緑色に変色した。
ワールドデストラクションのには、神の声というシステムがある。
神の声とは、聞きたいことをキーボードで打ち込んだり、ボイスで伝えると音声付きで答えてくれるシステムである。
「……(神の声)」
『はいはい』
心で呟くと女性の安心する声が聞こえた。
「……(あれ? 神の声って女性だったかな?)」
確か神の声は無機質な男よりの声だったはずだったと違和感を持つ表情を彼女は見せる。
『あらあら? どうしたの迷える子羊ちゃん?』
「……」
明るい声で彼女に聞く。
「……(聖女リーナ=グレイスが死なない方法を教えて)」
彼女は神の声に心で呟き聞く。
『残念ながらありません』
楽しげな様子で解答が返って来た。
「……(やっぱり、ゲーム通りの解答か)」
彼女は神の声が変わったのもあり、違う解答が来ると少し期待するが、残念そうな表情を見せる。
「……(ハッピーエンドになる方法は?)」
『残念ながらありません』
楽しげな様子で解答が返って来る。
「……」
その後も、ひたすら質問するが返ってくる解答は、残念ながらありませんというメッセージだけしか返って来なかった。
ゲームでは神の声は質問しても、不可能です。答えれませんしか返って来ず。使われていないシステムである。
「……(駄目だ)」
彼女は暗い表情を見せる。
「……(ハッピーエンドになる方法はないのかな?)」
彼女は涙を流し始めた。
「……」
彼女は窓に近づき、空を見る。
「……?」
彼女は空を見て違和感を持ち始める。
「……(ライフワールド以外の惑星に行けば死なない方法はある?)」
彼女は暗い表情を見せて神の声に呟く。
『アリアちゃんと呼んでよ』
「……(え?)」
突然、不意に神の声から名前呼びするように言われて彼女は戸惑いの表情を見せる。
『神の声ではなく、名前で呼ばないと解答しないよ』
「?、?」
神の声アリアが不機嫌そうな声で言う。
「……(アリア)」
『ちゃん付けで呼んで!』
「……(アリアちゃん)」
『はいはい、では解答します』
彼女は良くわからない表情をしながら解答を持つ。
『ライフワールド以外の惑星に行けば死ななくなる可能性や方法はあります』
「!!」
アリアの解答に彼女は明るい表情を見せ始めた。
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