第1話 遺伝子がバグってらっしゃる
緑色の巨体。
大きく膨れた腹。
醜い顔面。
愛梨を喰ったゾンビが、じっとこちらを向く__。
おッッッかしいだろぉぉぉぉぉ!?
え?おかしいよね?
だって、冒険は始まったばっかなんだよ!?
プロローグしか登場しない子なんてひどいわ!
出会ってすぐ退場ってなんだよ……
「ゴアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
「ゔぅああ!(うるっせぇ!)」
とはいえ、こいつを倒さないと、物語は進まない。大体のゲームがそう。
なら、やることはひとつだよねっ!
「ゔあああああっ!(死んねぇぇぇっ!)」
動かないエスカレーターを駆け上がり、3階から飛び降りて木刀を振り下ろす。
「ブオオオオオオオオッ!」
「ぐ……ゔるぁ!(こ……んのぉ!)」
両腕でガードしてくる巨体。どうにか潰しておかねば。
他の人がここを探索できない。復讐くらいはしておきたい。
だから__倒す。ここで殺す。
「ゔあ!」
アクロバティックに跳躍し、脳天へ木刀を振り下ろす。
「うわぁ!?ゾンビとゾンビが戦ってる!?」
「っち」
飛び上がりながら、メモ帳に文字を書き、人の方にぶん投げる。
「っ!?……『手伝え』?ただのゾンビじゃないのか?」
どうやら分かってくれたみたいだ。彼の隣に着地する。
メモ帳を奪い、続きを書く。
『さっき人が喰われた。気をつけてくれ』
「お、おう……わかった」
彼は、エアガンを手に、巨体の脳天を狙う。
「っは!」
パァン!
乾いた音と共に、巨体の左目から血が溢れる。
「これほんとにゾンビかよ?」
『さあな』
「はは。お前は……ゾンビだよな?」
『朝起きたらゾンビになってた人間です』
「どっちだよ」
『どっちでもいいやろがい』
「よかないわ、アホ」
『食うぞ』
「……すまん」
「グルルルル……」
身分証?が巨体から落ちる。
タンッ
「は!?」
一瞬で掴んでさっさと離れる。去り際に一閃しておく。
「ゴアアアアアアアッ!」
「ゔお゙あ゙……(うるせぇなぁ……)」
身分証はもしかしたら使えるかもしれん。この騒動の関係者かもしれないってことさ(深読みぃ)。
「ゔぉ(ほい)」
「えぇとなになに?『高橋奏多 24歳 バイオット社研究員』……バイオハザードかな?」
それはゲームのことか?自然災害のことか?
「ぶるるるる……」
「っち、分かってらァ」
巨体に狙いを定めたその時。
ドォン!
「っ!?」
「おいおい……なんの音だよ……」
「動くな!」
「っ!?自衛隊!?」
「ゔっあ゙ぁ……(だっるぅ……)」
「っ!ゾンビを連れているのか?」
「あぁいや、なんて言うか……ね」
『こっちに話を振るなアホ』
「誰がアホや!」
『
「駅の名前じゃんか……」
「……なんだ、意思疎通できるのか?」
「あー、説明はあと。それよりアイツをどうにかしようぜ」
彼は巨体を指さす。
「分かった。砲撃用意!」
ゴゴゴゴゴ……
「撃ぇ《うてぇ》!」
ドォォォン!
戦車の大砲から、砲弾が発射された。
アン・アンデッド 堕落と強欲の権化 @daraku_gouyoku
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