第4話
ナオの背中はビロードのようにすべすべで気持ちがいい。滑り落ちそうだと思ったらマールが身体を伸ばしてホールドしてくれているようだ。すごいぞマール。
マールは褒めると喜んだように震えた。
そう言えば質量保存ってどうなってるんだ。重くないのかナオ。
ナオはナーオと啼いて尻尾を振って光の粒を私に飛ばしている。猫妖術かな。
ナオはレベルアップもしてるし、猫妖術で体重軽減してるから大丈夫なんだろう。
少し薄暗い通路を抜けた先は明るく広い草原がどこまでも広がっている。
しかし、見かけにだまされてはいけない事を知っている。
庭にダンジョンが出来てから色々調べてみた。
この広いフィールドは見かけで空には地平にも果てがあって以外と狭い場合も多い。
ナオは周りを見回しながら匂いを嗅いで走り出した。
前方にゴブリンだ。ナオはこいつをめがけて来たんだな。
ナオに乗ったままだと邪魔になるし、私は武器も持ってない。
このままだとナオの邪魔になりそうなので私は飛び降りた。でもとんでもなく高く飛んで行く。
飛んだ先はゴブリンの眼の前。思わず眼を見合わせるがゴブリンはすぐ気を取り直して棍棒をふりかぶる。私はかなう訳もないけど手を振り払う。
ボキッ。手、折れた音かな。でも痛くないし大して抵抗もなかったような。はずしたかな。
見るとゴブリンの棍棒を折っただけでなく、ゴブリンの首も折れてそいつは倒れていった。
ナオの今の大きさから今の私は30センチほど。だいたい元の六分の一かな。
すると密度はもとの六倍。人は殆ど水でできているからその密度は6ちょいとだろう。
確か鉄が7ちょっと。かなり堅い。しかも小さくなってるし実際のあの棍棒はマッチ棒ほどもない筈だし。折れるわけだ。
そして質量は猫妖術で小さくなってるけど物質密度は大きくなって力は元のままってことかな。
ナオはその通り、と言うように尻尾を振っている。
と言う事はテイマーで肉体派かいっ。
私が呆然としているうちにマールは身体を伸ばしてゴブリンを包んで食べていた。
スライムは中々倒せないけど、行動は遅い。私に着て貰って動き回れればWin-Winなのか。
それからしばらくゴブリン狩りをして見た。
ナオは爪やその俊敏さで無双して、マールはスライムスーツの所々から酸液を飛ばしたり、一部を伸ばしてゴブリンを屠っている。両方とも私の倍は倒してるぞ。ここでは無双だな。
私のレベルも3まで上がり、マールも10まで上がった。なんかマールのスキルもまた増えたようだ。
私がゴブリンを倒すのは近接戦闘だけだしなぁ。マールとナオはレベルも高いからゴブリンは瞬殺だ。
マスターが一番レベル低いってどういう縛りなんだろう。
私たちは帰路についた。
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