釣り師の心境

なんで釣り師の心境か。私は坂口安吾が大好きで彼のように生きたい。ま、無理だけど、彼が書いた膨大なエッセイに「釣り師の心境」と言うのがある。一番好きなので、興味があるなら、青空文庫とかで読んでくれ。しかしこのサイトは異世界とチートだらけで、それはそれで、ま、いいか。俳句、短歌書いてる連中も文学もろくすっぽ知らなくて馬鹿すぎるのは驚くけどな、でもそれはそれでま、いいか。ごくたまに本当にいい作品に巡りあえるからな。

ま、滅多にないけど。


安吾と言えば「堕落論」とか「日本文化私観」、「桜の森の満開の下」とかなのだろうけど、私にとっては「釣り師の心境」が一番好きだ。小林秀雄や三好達治のダメっぷりが面白い。あんな文豪と言われる連中のダメっぷりに笑ってしまう。どいつもこいつも稚魚のような鮎を釣っては「う〜んやはり鮎の味が深い」なんて言ってやがる。あの小林秀雄がだぜ。所詮その程度の人間かと思うと人間クサイ。

安吾のエッセイにはガランドウという人物がよく出てくる。牧野信一の友人でもあったらしいが、安吾とのカラミが面白い。第二次世界大戦が始まる少し前に、酒を探しまくりガランドウはどういうわけかなぜか、物不足の当時でも、見つけてくる。そして安吾と二人で魚屋の前でマグロのブツをつまみに焼酎を煽る。奥さん連中が魚屋の前でデカい男二人が、ベンチに座ってマグロを食って、酒を飲んでいる。当時でもだいぶ異質な光景だったらしい。と安吾本人も書いている。安吾と言えば「カレーライス事件」が有名だが、織田作や、太宰よろしく、ヒロポン中毒になり、それを治療するためにアドルム中毒になり、完全におかしくなる時期があった。近所の食堂にカレーライス100人前頼めと、奥さんの三千代に頼み、100皿届いた。家の中にも置けないから、庭にも並べたそうだ。100皿が並んだ庭は爽快だろうな。結局、安吾は2皿くらい食ってねっちまったらしい。

大したもんだ。こんなつまらない時代になんて爽快だ。

安吾の小説のタイトルも素晴らしいしな

「私は海を抱きしめていたい」とか、「青鬼の褌を洗う女」とか

ロマンチックのかけらもないのがいいな。


では股。

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