第20話「狐巫女系魔法少女イナリちゃん!」

「さてと、ランザクは魔法少女の気配を察する能力が高いらしいんよね。だからワイ達は半径3kmまで離れて、配信用のドローンを使いながらステラちゃんを観察。もしもこれはヤバいと思ったらワイの魔法で助けに行くからね」


 いよいよランザクとの交渉が始まった。


 どうなるか心配する中、私達は魔法少女に変身した。


「変身!」


 私とレイサちゃんがステラに変身し、ナナさんはガイアちゃんに、エリマちゃんはキリちゃんに変身した。


 私達が変身する姿をヤツハちゃんは拍手をしながら見ていた。


「わー、ステラちゃんはグレー、ガイアちゃんはグリーン、キリちゃんはイエローなんやね。んじゃ、ワイも変身するね〜」


 ヤツハちゃんがステッキをくるりと回転させると、青い蝶が舞って、その蝶達がヤツハちゃんを包み込むと、露出度の高い和風衣装に着替えて、頭から狐耳、お尻からモフモフの尻尾を生やした金髪の女の子に変身した。


「コンコン! はーい、狐巫女系魔法少女イナリちゃんでーす」


「わぁ、すごい。頭の狐耳と尻尾は本物なの?」


「んー? じゃあ触ってみる?」


 私がイナリちゃんの狐耳を触ったら飾りではなく本物だった。


 次に尻尾をモフモフしたが、これは、人をダメにしそうなモフモフ感だ。


「ん、ふ、そんなにモフモフされると、くすぐったいわぁ」


「ご、ごめん!」


 慌ててイナリちゃんから離れると、露出度が高いせいで谷間とか見えてるんだが。


 ガイアちゃんの推しである四天王のカギリも露出度は高かったけど、カギリは大人の女性で、イナリちゃんは私と同い年。


 しかし、エロいのは分かるが、胸の大きさでイナリちゃんに負けた。


「レイサちゃん、魔法で胸を大きくできないかな?」


『いや、そんな事したら胸が爆発するぞ?』


❤︎


 と言うわけで、私とレイサちゃんがステラに変身して、他の三人は3km先から見守っていると、無人のビル群が並ぶ場所に四天王のランザクだと思われる鬼の女の子のモンスターが立っていた。


「貴様がステラだな? 我は四天王の一人ランザクだ」


「まず、なんで私を要求したのか、その理由を聞かせてもらう」


「ふむ、今は二人で一人に変身してるのだな? 面倒だ、さっさと変身を解いて二人に戻ったらどうだ?」


「あのねぇ、説明が足りない。なんで私達の事を知ってるわけ?」


「む、むぅ、我は交渉とか苦手なのだが……分かった。こうしよう」


 ランザクは腰に差してる刀を抜いたかと思ったら、凄まじい気迫を発した。


「我が勝ったら変身を解け。安心しろ変身を解いた後は痛い目に遭わせないと約束する」


 結局戦う事になるのかと、少し面倒に思う私達だった。

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