第14話:深夜の物音と、先輩からの緊急SNSアドバイス

【ひよりのSNS】

車中泊の夜、マジでビビりまくり…😱

物音するたびに心臓止まりそうなんだけど?!😨

土屋先輩のアドバイス、試してみるしかない…!💦

#車中泊の夜 #ソロ車中泊 #初心者あるある

#物音怖い #ビビり #土屋先輩 #助けて


道の駅での初ソロ車中泊の夜。

私は、土屋先輩からのSNSアドバイス通り、

ヘッドホンをつけてみた。

周りの車のエンジン音や、

話し声は、ほとんど聞こえなくなる。

これで、ぐっすり眠れるはず。

そう思って、目を閉じた。

でも、やっぱり、

慣れない空間に、なかなか寝付けない。

真っ暗な車内は、

なんだか私を包み込むように感じられて、

安心するはずなのに、

どこか、心細い。

いつもと違う布団の感触。

普段のベッドとは違う、

わずかな車の傾き。

寝返りを打つたびに、

寝袋とマットが擦れる音が、

やけに大きく聞こえる。

自分の呼吸音すら、

妙に響いて聞こえる気がした。

時間が、ゆっくりと流れていく。

どれくらい経っただろう。

ウトウトし始めた、その時だった。


ドンッ。

突然、でり丸。のボディが

揺れたような気がした。

私は、ビクッと体を震わせ、

目を開けた。

心臓が、ドクドクと大きく鳴る。

気のせいかな?

そう思って、もう一度目を閉じる。

でも、やっぱり、

また何かが動く音がする。

ガサガサ……。

どこから聞こえるんだろう。

でり丸。の外?

それとも、すぐ近く?

怖くて、寝袋から顔が出せない。

誰かいるのかな。

それとも、動物?

想像するだけで、

全身の毛が逆立つような感覚に襲われる。

冷や汗が、じわりと背中を伝った。

私は、静かに息を潜めた。

心臓の音が、耳元で大きく響く。

まるで、私だけが、

この広い世界に取り残されたみたいだ。


どれくらい時間が経っただろう。

数分かもしれないし、

数十分かもしれない。

永遠に続くかのように思える

沈黙と恐怖。

私は、震える手で、

スマホに手を伸ばした。

画面をそっと点灯させる。

光が、真っ暗な車内に広がり、

私の顔を照らす。

SNSを開き、

土屋先輩のアイコンを探した。

こんな時、頼れるのは、やっぱり

ガチ系先輩たちしかいない。

「車中泊の夜、物音がして怖いです…」

震える指で、メッセージを打ち込む。

送信ボタンを押す直前、

もう一度、耳を澄ませた。

やっぱり、ガサガサという音がする。

スマホを持つ手が、さらに震える。

「お願い、誰か助けて……」

私は、メッセージを送信した。

すると、すぐに既読がついた。

土屋先輩、起きてるんだ!

心臓が、ドクン、と大きく鳴った。


数秒後、土屋先輩からの返信が来た。

「車中泊の夜は、ちょっとした物音が気になるもんだ。」

「ヘッドホンとか耳栓を用意するといいぞ。」

「あとは、車の周囲に人感センサーライトを

設置するのも有効だ。」

なるほど、人感センサーライトか。

そんなものまであるんだ。

土屋先輩のコメントは、簡潔だけど、

私を安心させてくれた。

私は、土屋先輩のコメントを、

心の中で何度も反芻した。

たしかに、ヘッドホンはあったら便利だ。

でも、人感センサーライトって、

どうやって設置するんだろう。

SNSで検索してみようかな。

そう思いながら、

私はスマホを握りしめたまま、

再び目を閉じた。

それでも、やはり、

物音への恐怖は消えない。

目を閉じても、耳を澄ませてしまう。

ガサガサという音が、

まだ聞こえるような気がした。

もしかして、気のせいじゃない?

本当に何かいるんじゃないか?

そんな疑念が、頭の中をぐるぐる巡る。

眠気は、完全にどこかへ行ってしまった。

私は、寝袋の中で、

体をさらに丸めた。

まるで、でり丸。のシートと

一体化するように。

小さな空間が、

今はとても広く、そして、

どこか心細く感じられた。

不安と緊張で、

全身の筋肉が強張っている。

朝まで、このまま耐えるしかないのかな。

そう思うと、途方もない気持ちになった。


どれくらいそうしていただろう。

ふと、スマホの画面を見ると、

時間が午前3時を過ぎていた。

まだ、夜は明けない。

外は、相変わらず真っ暗だ。

道の駅の駐車場も、

ほとんどの車がエンジンを切っていて、

静まり返っている。

その静けさが、かえって私の不安を煽る。

もし、本当に誰かが近づいてきたら、

どうしよう。

私は、でり丸。の鍵を、

そっと握りしめた。

緊急時には、すぐにエンジンをかけて、

ここから逃げ出すしかない。

そんなことまで考えてしまう自分が、

なんだか情けなかった。

こんなに怖がりで、

本当に一人で車中泊なんてできるのかな。

自信が、少しずつ揺らぎ始める。


その時、またしても、

ガサガサッという音が、

今度ははっきりと聞こえた。

しかも、さっきよりも近い。

私は、息をのんだ。

心臓が、喉まで飛び出しそうなくらい

激しく脈打つ。

思わず、スマホのライトを点けそうになったが、

いや、待て。

もし、本当に誰かがいたら、

ライトを点けたら、

逆に相手に気づかれてしまうかもしれない。

私は、震える手で、

スマホの画面を消した。

真っ暗な車内に、

再び恐怖が舞い戻る。

ガサガサッ、ガサガサッ。

音は、でり丸。のすぐ後ろあたりから

聞こえるような気がした。

まるで、何かが、

でり丸。の周りを

うろついているみたいに。

私は、そっと窓の外に目を向けた。

真っ暗で、何も見えない。

でも、そこに、何かがいる。

そう確信した。


その瞬間、私の頭の中に、

ある言葉が閃いた。

高倉先輩が、以前言っていた言葉だ。

「車中泊は、時に予期せぬ出来事がある。」

「でも、それも旅の醍醐味だ。」

「どんな時も、冷静に対処することが大切だ。」

冷静に。

私は、大きく深呼吸をした。

震える体を、必死で落ち着かせようとする。

そうだ、パニックになっても、

何も解決しない。

まずは、状況を把握しないと。

私は、そっと寝袋から体を起こした。

シートに座り、

ゆっくりと窓に近づく。

カーテンの隙間から、

そっと外を覗いてみた。

真っ暗な闇の中に、

ぼんやりと何かの影が見える。

小さい。

そして、動いている。

ガサガサという音も、

その影から聞こえているようだ。

何だろう。

私は、目を凝らした。

そして、その影の正体が、

はっきりと見えた瞬間、

思わず、力が抜けた。


そこにいたのは、

小さな、小さな、タヌキだった。

道の駅のゴミ箱を漁っているのか、

ゴミ袋をガサガサと引っ掻いている。

その姿は、

私が想像していたような恐ろしいものではなく、

むしろ、どこかコミカルで、

可愛らしくさえ見えた。

私は、思わず、

フッと笑ってしまった。

なんだ、タヌキか。

あんなにビビってたのに。

拍子抜けするのと同時に、

安堵感が全身を駆け巡った。

冷や汗が、スーッと引いていく。

心臓の鼓動も、

少しずつ落ち着いてきた。

私は、タヌキがゴミ箱を漁る姿を、

しばらくの間、

じっと見つめていた。

タヌキは、何か見つけたのか、

小さなものを口にくわえて、

闇の中に消えていった。

静けさが戻った車内。

私は、再び寝袋に潜り込んだ。

もう、怖くない。

むしろ、なんだか、

心が温かくなった気がした。

これも、車中泊の経験なんだ。

SNSで、このことを投稿したら、

きっとみんな、笑ってくれるだろうな。

そう思うと、

なんだか楽しくなってきた。

私は、スマホを取り出し、

SNSを開いた。

そして、今日の出来事を、

正直に、ありのままに書き綴った。

「深夜の物音の正体は、まさかのタヌキでした😂」

「ビビりまくったけど、これもいい経験!」

「土屋先輩、アドバイスありがとうございました!」

そうコメントを添えて、投稿ボタンを押した。

これで、また一つ、

でり丸。との思い出が増えた。

そして、私は、

少しだけ強くなれた気がした。

外は、まだ暗いけれど、

私の心の中には、

もう夜明けが訪れていた。

でり丸。との旅は、

まだまだ始まったばかりだ。

どんなハプニングがあっても、

きっと乗り越えられる。

そう確信した私は、

今度こそ、ぐっすりと眠りについた。

でり丸。のシートの感触が、

私を優しく包み込んでくれる。

おやすみ、でり丸。


【ひよりのSNS】

車中泊の夜、マジでビビりまくり…😱

物音するたびに心臓止まりそうだったんだけど、

まさかの正体は…タヌキでした😂(笑)

土屋先輩、アドバイスありがとうございました!✨

これも車中泊の醍醐味だよね!って

思えるようになった自分に拍手👏

#車中泊の夜 #ソロ車中泊 #初心者あるある

#物音怖い #ビビり #土屋先輩 #助けて

#まさかのタヌキ #車中泊の醍醐味 #強くなった私

#でり丸との思い出 #夜明け前

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