第13話:いざ、初ソロ車中泊!道の駅の洗礼
【ひよりのSNS】
ついに来た!✨でり丸。と初のソロ車中泊旅、出発ー!🚗💨
目的地は、SNSでバズってたあの道の駅!🏕️
ドキドキとワクワクが止まらない…!🥺
#デリカミニ #車中泊旅 #ソロ車中泊 #道の駅
#車中泊デビュー #ワクワクが止まらない #いざ出発
お試し車中泊を何回か繰り返して、
私はすっかりでり丸。との夜に
慣れてきた。
最初はぎこちなかったDIYも、
今ではなんだか楽しくて、
ホームセンターへ行くのが
週末の楽しみの一つになった。
夜のでり丸。の中は、
私だけの秘密基地。
外の喧騒から遮断されて、
心地よい静けさに包まれる。
完璧じゃなくても、
ありのままの自分を受け入れる。
そんなふうに思えるようになったのも、
でり丸。のおかげかもしれない。
「よし、準備は万端!」
そう確信した私は、
ついに本格的なソロ車中泊に
挑戦することにした。
最初の目的地は、SNSで評判の
あの道の駅だ。
土曜日の朝。
目覚ましが鳴る前に、パッと目が覚めた。
窓の外は、まだ薄暗いけれど、
心の中は、夜明けみたいに明るい。
リュックには、着替えと最低限の荷物。
クーラーボックスには、
スーパーで買ってきた食材がぎっしり。
飲み物も冷え冷えだ。
でり丸。のトランクを開けて、
荷物を積み込んでいく。
一つ一つ、確認するたびに、
期待と興奮が胸の中で膨らんでいく。
エンジンをかける。
キュルルル……ブォン。
でり丸。のエンジン音が、
私の新しい冒険の始まりを告げる。
ハンドルを握る手に、自然と力が入る。
「よし、でり丸。行ってきます!」
私は、でり丸。のボディを
そっと撫でた。
冷たい金属の感触が、
私に「大丈夫だよ」って
語りかけてくるみたいだった。
でり丸。と向かうのは、
高速道路のSA(サービスエリア)を
いくつか経由して、
目的地である道の駅だ。
カーナビの画面に表示される
ルートを、私は何度も確認した。
初めての遠出に、
ちょっとだけ緊張する。
高速道路に乗ると、
でり丸。のエンジン音が、
一段と力強くなった。
タイヤがアスファルトの振動を拾い、
車体全体に微かな震えが伝わる。
それは、まるで、でり丸。が、
「私もワクワクしてるよ!」って、
私に語りかけてくれてるみたいだった。
窓から流れ込んでくる風が、
私の髪を優しくなでていく。
私は、大きく息を吸い込んだ。
空気の匂いが、いつもと違う。
都会の排気ガスの匂いじゃなくて、
少しだけ、土の匂いや
海の匂いが混じっている気がした。
吸い込んだ空気が、私の肺を
いっぱいに満たし、
全身に新しい活力を与えてくれる。
カーナビの画面に表示される
道の駅の名前。
SNSで何度も見た、
あの美しい景色が、
いよいよ目の前に広がるんだ。
そう思うと、心が躍り出す。
私の鼓動が、でり丸。のエンジンの
振動とシンクロしているようだった。
数時間後。
ついに、目的地である道の駅に到着した。
SNSで見た写真では、
広々としていて、車もまばらな
イメージだったのに、
実際には、駐車場はほぼ満車。
たくさんの車でごった返していて、
どこに停めるべきか、一瞬戸惑った。
あ、ここってこんなに混むんだ。
SNSのキラキラした世界と、
現実のギャップに、
早くも洗礼を受けた気がした。
どうしよう。
私は、他の車の隙間を縫うように、
慎重にでり丸。を走らせた。
なんとか、空いているスペースを
見つけて、駐車を試みる。
バックミラーを何度も確認し、
ゆっくりとハンドルを切る。
周囲の車のエンジン音が、
やけに大きく聞こえる。
焦りと、ちょっとした緊張感で、
額にじわりと汗が滲む。
何度か切り返しをして、
やっとのことで駐車スペースに収まった。
エンジンを切ると、
急に静けさが訪れる。
ホッと、安堵のため息を漏らした。
でも、なんだか、
周りの車からの視線を感じるような
気がして、落ち着かない。
駐車場には、私のでり丸。以外にも、
キャンピングカーや、
バンを改造した車中泊仕様の車が、
何台か停まっていた。
みんな、ベテランって感じだ。
私みたいに、とりあえず車中泊、
みたいな軽い気持ちで来たのとは違う。
なんだか、アウェイ感。
「大丈夫かな、私……。」
小さな不安が、胸の中に広がっていく。
とりあえず、車中泊の準備を始める前に、
道の駅の中を見てみよう。
私は、でり丸。のドアを開けた。
ひんやりとした外の空気が、
車内に流れ込んでくる。
その匂いは、都会とは違う、
土と草の匂い。
足元には、少しだけ湿ったアスファルト。
道の駅の建物から、
賑やかな話し声が聞こえてくる。
道の駅の店内は、
地元の特産品やお土産でいっぱいだった。
色とりどりの野菜やフルーツ、
手作りのジャムや加工品。
美味しそうな匂いが、あちこちから漂ってくる。
私は、野菜コーナーで、
採れたてのトマトを手に取ってみた。
ずっしりとした重みと、
太陽の光をたっぷり浴びたような、
瑞々しい香りがする。
都会のスーパーで買うトマトとは、
全然違う。
なんだか、それだけで感動しちゃった。
園田先輩が言ってた
「その土地の空気と一緒に味わう」って、
こういうことなのかな。
お土産コーナーでは、
可愛いご当地キャラクターの
キーホルダーとか、
マグカップとかが並んでる。
思わず、スマホを取り出して、
写真を撮りたくなっちゃった。
SNSに載せたら、
「いいね!」もらえそう。
夕方になり、道の駅の賑わいも
少し落ち着いてきた頃。
私は、でり丸。に戻り、
車中泊の準備を始めた。
カーテンを閉め、寝袋を敷く。
高倉先輩に言われた「ポータブル電源」も、
ちゃんと用意してきた。
これで、スマホの充電も、
ランタンの明かりも、心配ない。
完璧。
そう思ったんだけど、
なんだか、落ち着かないんだよね。
周りの車の中の人の気配が、
やけに気になる。
物音がするたびに、
ビクッとしてしまう。
これって、車中泊あるあるなのかな。
SNSで、先輩たちに相談してみようかな。
私は、スマホを開いた。
高倉先輩、花巻先輩、園田先輩、
月島先輩、土屋先輩。
みんな、きっとこんな経験、
してるんだろうな。
「車中泊の夜、ちょっと緊張する……」
そんなメッセージを添えて、
SNSに投稿した。
すると、すぐに通知が鳴った。
土屋先輩からのコメントだ。
「車中泊の夜は、ちょっとした物音が気になるもんだ。
ヘッドホンとか耳栓を用意するといいぞ。」
土屋先輩、マジで?!
こんな時まで的確なアドバイスくれるなんて。
彼のコメントは、
なんだか私の心を落ち着かせてくれた。
そうか、みんなも同じなんだ。
私だけじゃないんだ。
ヘッドホンをつけ、目を閉じる。
周りの音は、あまり気にならなくなった。
でも、やっぱり、
慣れない空間で、なかなか寝付けない。
体が、なんだかソワソワする。
寝返りを打つたびに、
寝袋とマットが擦れる音がする。
ふと、窓の外に目をやると、
空には雲がかかってて、
星が一つも見えない。
SNSで見た、満点の星空の下での
車中泊とは、全然違う。
ちょっと、いや、かなりがっかりした。
これが、SNSのキラキラした世界と、
現実のギャップってやつかな。
でも、これも車中泊の「洗礼」だ。
そう、自分に言い聞かせた。
この経験が、私を強くしてくれるはず。
そう信じて、私は、
再び目を閉じた。
【ひよりのSNS】
初のソロ車中泊、マジで洗礼受けまくり…😂
駐車場激混みだし、夜は物音ビビりまくるし、
星も見えなかった…😭
でも、これも経験ってことで!👍
土屋先輩、アドバイスありがとう!✨
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#車中泊あるある #初心者 #失敗は成功のもと
#でり丸との夜 #ちょっと緊張
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