🧢僕のワクワク大作戦 少年編13 宇宙人の基地を調査〈後編〉〜真夏のUFO疑惑事件〜

@takapapa0716

第13話

🟢 前書き


空き地に現れた、謎のプレハブと正体不明の老人。

僕たちは「宇宙人の秘密基地だ」と信じて疑わず、自由研究を口実に再び潜入を決行する。

だけどこの夏、思ってもみなかった“事件”が待っていた──



📝 本文


「ラジャー!」


真夏の午後、僕たちはついに“秘密基地”へ突入した。

プレハブの扉は、意外にも簡単に開いた。ベニヤ板製。これといって防御力はない。


中は狭くて雑然としていた。リンゴ箱が机代わりになっていて、その上には見たこともない記号がマジックでびっしりと書かれている。


「これは……宇宙語だ!」

僕は確信した。この暗号を解読すれば、人類は新たなステージに突入できるかもしれない。

僕はノートを広げ、記号を一つひとつ書き写しはじめた。


「……なんか、気配するぞ」


マメが扉を見張る中、僕は振り返った。


そこには──見知らぬ小学生が立っていた。


「だ、誰だ君!?」


「隣町の小学生です。ここの老人、うちの町にも出没してて……ずっと気になってたんです」


──こいつ、できる。


彼もまた、謎の老人が日中だけ姿を消し、意味不明な言語を話していることを知っていた。


即座に意気投合した僕たちは、彼を“宇宙人調査チーム”の一員に迎えた。


しかし、部屋をさらに調べていたとき──


「……また気配が……」

誰かが来る。


振り返ると、そこに立っていたのは──


例の謎の老人!


「うわあああああっ!!」


僕たちは蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。

背後では、老人が怒鳴っている。言葉は意味不明だったが、「怒ってる」ことだけはハッキリと伝わってきた。


森の中でようやく集合すると──

あの隣町の少年が、いなかった。


「……連れていかれた?」

「改造された……とか……?」


一瞬、全員が凍りついた。


僕たちはしばらく身を潜めることにした。

それから数日後。あのプレハブは忽然と姿を消していた。

もちろん、謎の老人もどこかへ消えたままだ。


「でも、あの暗号……解読できたら、すごかったのにな……」


結局何もわからないまま夏休みは終わり──

僕たちは、自由研究の発表を迎えた。


提出されたレポートを見た先生は、無言で僕たちを見つめ、こう言った。


「……お前ら、親呼ぶから」


職員室前に並ばされ、次々にやってきた親たち。

その後、僕たちが泣き出すまで、怒声のシャワーは止まらなかった。



🟡 後書き


これにて、“宇宙人の秘密基地調査”作戦は幕を閉じた。

結局あの暗号の正体も、老人の正体もわからない。

それでも──あの夏の出来事は、今でもたまに夢に出てくるんだ。

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