並外れた発想の歌が並んでいて、瞠目しました。全体的に破調なのですが、それが逆に言葉の奔流のように感じられて、作者独自の魅力になっています。比喩や飛躍も素晴らしく、しかも言葉はやわらかく、読みやすく、読者への丁寧な配慮が感じられました。どの短歌も、好きなのですが、特に良いと思った2首を紹介しておきましょう。化粧水塗るときに確かめるわたしのかたちが正十二面体だったなら真っ白なキティの吐息はみずうみに溶けてはじけて 爆心地はここ