第16話:過去の影、揺れる誓い

窓から差し込む朝日の輝きは優しくも、私の胸の中に渦巻く不安を消すことはできなかった。

セレスト様が語った過去――その秘密は、私の心に重くのしかかる影となっていた。


「彼は何を隠しているのか」

その問いが、頭の中をぐるぐると回る。


私は自分自身に言い聞かせた。

「彼を信じたい、理解したい」――そう願う一方で、どこかで怖れてもいた。


庭園の小道を歩きながら、冷たい風が頬を撫でた。

濡れた草の匂いが鼻をくすぐり、思わず深呼吸をする。


「ミレーヌ様」


背後から呼ぶ声に振り返ると、リディアがゆっくりと近づいてきた。

彼女の表情もまた、揺れているのが分かった。


「彼の秘密を聞いて、私も心が乱れている」

そう告げられ、私は軽くうなずいた。


「でも、逃げてはいけないと思う。彼を知ることは、私たちの未来に繋がるはず」


その言葉に勇気づけられ、私は小さく微笑んだ。


城の鐘が遠くで響き、時の流れを告げていた。

これからの選択が、運命を左右するのだと胸に刻む。


「誓おう、彼の過去も今も、未来も共に受け止めると」


リディアと手を取り合い、強く誓った。

それは、愛する人のために歩む決意の証だった。


空は少しずつ晴れ渡り、雲の隙間から柔らかな光がこぼれていた。

希望の兆しを感じながら、私は前を向いた。

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