第15話:秘密の告白、運命の選択
朝の淡い光が、城の大広間の窓から差し込んでいた。
それはまるで、新しい始まりを告げるように柔らかく、しかし確かにそこにあった。
リディアと私は、昨夜の雨の庭園で交わした約束を胸に、それぞれの部屋で思いを巡らせていた。
しかし、心は穏やかではなかった。
「彼の心の奥にある秘密」――それが私たちの間に立ちはだかる壁となっていたからだ。
私は鏡の前で自分の顔を見つめた。
そこに映るのは、不安と決意が入り混じった少女の姿。
誰にも見せられない涙を堪え、ただ前を向くしかなかった。
やがて、扉の向こうから軽やかな足音が近づいてきた。
「ミレーヌ、少し話せる?」
声の主はセレスト様だった。
彼の瞳にはいつもとは違う、深い陰りが宿っている。
「どうしたの?」私は声を震わせて答えた。
彼は一呼吸おいてから、ゆっくりと口を開いた。
「伝えなければならないことがある。君にだけは、真実を知ってほしい」
その言葉に私は鼓動が早まるのを感じた。
何が待っているのか、恐ろしくもあった。
「実は……私には、隠していた過去がある」
セレスト様の告白は、まるで冷たい水を浴びたように私の心を揺さぶった。
彼の過去は、私たちの運命を大きく変えるものかもしれない。
「聞いてほしい。君が私をどう思うか、それが怖い」
彼の言葉に、私は胸が締めつけられた。
これまでの“役割”や“シナリオ”ではない、ただ一人の男として彼が私に向き合っている。
「私は……あなたを愛している。だからこそ、真実を知りたい」
涙が自然と溢れ出す。
それは恐れでも、悲しみでもなく、確かな愛の証だった。
その時、窓の外から朝日が差し込み、部屋を黄金色に染め上げた。
未来はまだ見えない。
だけど、私は一歩踏み出した。
彼と共に歩む道を選ぶために。
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