3曲目 アンサーソング
タイトル:さよならはきえない
歌:初音ミク
作詞・作曲:みきとP
URL:【本家】 https://www.youtube.com/watch?v=I4g-DfUImiI&list=RDI4g-DfUImiI&start_radio=1
【倚水さんver】 https://www.youtube.com/watch?v=PNTWWyRmGig&list=RDPNTWWyRmGig&start_radio=1
初聴:大学2年(2019)
蓬葉No:1185
蓬葉階級:4つ星/6つ星
寂しい曲です。
実はこの曲を聴くと、私自信かなり苦しい気持ちになります。
それでもこの曲を紹介するのは、まさに今日(20250810)、倚水さんという歌手の方が、これをカバーしたためです。
失恋後の女性の心理を歌ったものです。
作者はみきとP。私の中では中学時代に「いーあるふぁんくらぶ」で登場して以降、主に恋愛曲、とりわけままならぬ恋を歌った曲を多く扱っている印象です。「夕立のりぼん」、「少女レイ」、「返信願望」などなど。その中にあって、この曲は、純粋な失恋曲です。
この曲を聴いた時は、ヨルシカの曲をよく聴いていました。また、傘村トータが「小説 夏と罰(下)」で、花譜・カンザキイオリのコンビが「quiz」「魔女」「エリカ」で登場している時期です。その中にあって、みきとPはもはや最古参のアーティストの一人であり、現在の音楽史の中でも燦々と輝いています。
1番Bメロでは、男性と女性とがそれぞれ対比されて描かれています。
男性は、未練を抱えつつ失恋を映画のワンシーンと重ねる。
女性は、一晩かけて涙の海の底で鍵を探す。
女性の方は比喩表現であり、難解です
女性の方は深く悲しみながらも、前を向く手立てを探すということでしょうか。一方の男性は文化に救いを求め、自我を保とうとする、といったところか。
もしもこの曲の通りだとしたら、男性は弱いですね。一方、女性は強すぎます。夜明けとともに受け入れようとする、ほんとうにそうなのでしょうか。
未練を持つということは少しくどいところがありますね。しかし、同時にそれだけ愛情が深かったことを示します。
一方、前を向くということは姿勢としても精神生活上もとてもよいことです。しかし、同時にすぐに切り替えられるほどには薄情ととることもできます。
この私に語りにもバイアスがあります。
この曲において、さらに注目できる点は、日常生活にとても即したものであるということです。
「遊園地」「カラオケ」「漫喫(漫画喫茶)」「恋人割」……。すべて実生活に即したものであり、二人の関係性が我々にも理解可能な、具体的なものであったことがわかります。特にサビで登場する三つの場所は、少しずつ二人きりの場所へと推移しているようにも見えます。
恋の駆け引きや描写は抽象的になりがちです。そのような曲も味わい深く、解釈可能性が生まれるので、とても興味深く聴くことができます。
しかし、直球的に二人の状況が伝わってくる作品は、私たちの心を
さらにこの曲の具体性を強めているのは「似顔絵」と「いいところノート」、そして「お互いの電話番号」です。二人だけしかわからない世界を示す歌詞を出すことで、この曲が実は、男性へのメッセージなのだということがわかります。実際、この曲は別の曲への「アンサーソング」となっています。
大好きだったよ ありがとう
2番Cメロこの歌詞はつらいですね。
あくまで女性側は前に進もうとしているのです。直前の歌詞にもそうあります(そんな気がした、というニュアンスですが)。
大好きならなぜ別れるのか。
その素朴な問いの答えは、わかりません。この点は、男性視点を見てみる必要があるでしょうが、おそらく、互いが死ぬまで一生ずっとそばにいるという未来が見えなかったのではないかと、私は想像します。二人の意識に異なりがある描写は、この曲にも散見されますし、もう片方の曲もそうです。
であれば、やはりもう片方の曲の主張を聞いてみる必要が、あるでしょう。
次の枠ではその曲を紹介します。
皆さま、せっかくご覧になっていますので、ぜひこの曲をもう一度聴いてみてください。特に、最後のサビの後の終奏をよく聴いたうえで、次へお進みください。
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