4曲目 メッセージソング
タイトル:夏の半券
歌:初音ミク
作詞・作曲:みきとP
URL: https://www.youtube.com/watch?v=lYW5kdbMQUg
季節:夏
初聴:中3(2014)
蓬葉No:396
蓬葉階級:5つ星/6つ星
前回の「さよならはきえない」は大学に入ってから聴いた曲でしたが、こちらはさらに早く、中学3年生の秋には聴いているようです。作者はもちろん、みきとP様。
みきとPの中の青春曲を私が勝手に決めるのであれば、「少女レイ」、「まとい」、「夕立のりぼん」そして「夏の半券」です。近年の曲である「Who are」を入れてもいいです。
さて、この曲を聴いたのは、私の中で自然の敵Pなどのボカロ曲文化が落ち着きを見せはじめたころです。まもなく、n-bunaが「背景、夏に溺れる」で、Orangestarが「アスノヨゾラ哨戒班」で登場して私の音楽史上、大きな影響を及ぼすのですが、それよりわずかに前です。
この曲について、私が当時感じた印象は、「人が歌えるボカロだ」というものです。これまでは早口であったり高音であったりというボカロが多かったのですが、この曲は早くもなく、かつ高音でもありません。新鮮さを覚えた記憶があります。もう少し経ち、中3末期から高校時代に入ると私が聴く曲の中でもこのようなボカロ曲が増えていきます。1曲目に選んだ「夢と葉桜」はその例の一つですが、この段階ではまだそう言った曲は主流ではなかったのですね。
さて、自分語りはこれくらいにして置き、本題です。
まず注目できる点は、MVですね。
見てわかる通り、エンディングロールのようになっています。これはテーマである「映画」から来た構成でしょう。
そもそもタイトルにある「半券」。これ自体が映画のものと、歌詞にあります。
「さよならはきえない」でも、男性と映画のつながりを示す歌詞がありましたが、ここでその種明かしがされるわけです。
この曲を聴いた当時(中3)の私には、特に「君のこと嫌えるように頑張ろう」という歌詞がとても印象に残っていました。
しかし、「さよならはきえない」の歌詞と比べると途端に違和感を覚えます。
それはサビにある「次の恋は一回り大人の顔して忘れ合おう」という歌詞もそうなのですが、男性側に、あまり未練を感じさせる歌詞がないということです。
もちろん、1番Aメロの歌詞や、1番Bメロの歌詞は未練を思わせるものの、あまり強くは出ていません。
「さよならはきえない」では、「男の子は未練抱えて青春映画のワンシーンと過去を重ねてる」はずでした。しかし、「夏の半券」では「嫌えるように頑張る」、「忘れ合おう」というように、未練が見当たらない。
これはどういうことか。
二つ、考えました。
一つは、男性側の「強がり」、「逃避」という考え方です。
つまり、女性側の指摘通り、彼の言葉やセリフは、彼自身のものというよりも、「映画」から借用したものである、という考え方ですね。映画の登場人物と同じ行動をとることで、典拠を持ちつつ、今の自分の状況を打破するのです。
もう一つは、女性側の「願望」という考え方です。この考え方を取ると、いじらしいのですが、女性は前を向こうとしていました。しかし、男性側には未練を持って、引きずっていてほしいと願っていたのではないか。
2番Aメロには、二人が別れるきっかけとなるような価値観の相違が描かれます。
君は気持ちを重視する一方、僕は言葉を求める。
「さよならはきえない」の2番サビで「バカヤローも大嫌いもいまさら言ってどうなる」という歌詞があったのが想起されます。大切なことは、きちんと言葉にしなければいけませんね。
最後に、「さよならはきえない」の最後、「夏の半券」のサビの旋律が唐突に流れます。この点は、何を表しているのでしょう。もしかしたら、女性側の未練を表しているかもしれませんね。
晩夏になると、この曲はきらめきます。
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