第10話 くろこちゃんモブ子さんとお菓子材料店で出会う。
5月下旬のある日のうさぎ坂。
くろこちゃんは銀子ちゃんと鴨ちゃん局長を連れてショッピングモールにきます。
この3人は無類のお菓子好き。くろこちゃんは地方の名物スイーツオタク。鴨ちゃんは和菓子オタク。銀子ちゃんは買い食いオタクの駄菓子マニアなのです。
なにげに3人でお菓子作り相談していたところ、知ってる顔がお菓子材料店に入っていきます。
くろこ「あれ?いま来たの 転入してきた先輩さんだよね?」
くろこちゃんの目線の先には銀髪ボブカールにブラウン肌の少女が映ります。
その子は4月下旬に他のMMOからPCの師匠さまと一緒に避難してきた NPC少女。
銀子「あッ師匠先輩のカノジョさん!?」
くろこ「うん、そういう距離感に見えるよね?でもそう言うと、クールにあわてて否定するという話だよ?」
鴨ちゃん局長「あの娘どのは【一番弟子】さんと呼ばれるととても喜ぶのじゃ。立派な修行者なのじゃ」
銀子「つまり普段はその燃えさかる女豹のサガを隠して、師匠先輩に寄り添っているんだね?あたしみたいでとってもロマンシング♡」
くろこ「まあ、一番弟子さんの情動コアの動作が銀子ちゃんみたいにブッ壊れ性能かはおいて、なんかすごく真剣に材料見ているからあんまり邪魔しないようにしよっか」
くろこちゃんもクッコロモードだとタガが外れるのですが、モブ子さんはどうなのでしょう。
そういえば上位世界のみなさんは【A子】さんというモブ子さんのアナザーを知っているのです。
A子さんはヴィランの改造データでモラル解除されているため、モブ子さんの深層感情設計を素直に表出します。
まったく一緒の性格ではないですが、クールなモブ子さんも師匠くんにめっちゃめちゃ寄り添うように尊いタスク管理していますよね。
ああ……抑えていても素直になっても、どちらもとてもいじらしいのです。
くろこちゃんたちはこっそりそんなモブ子さんを見守ります。
3人は師匠くんとラビトーク交換済みですが、ちゃんとご挨拶するのまだなのです。
モブ子さんは以前師匠くんと故郷や趣味の話していた時に、モブ子さんが作れるスイーツの話からエスニックなキャロットケーキの話になり、モブ子さんも師匠くんに恩返しも兼ねてほのかなAIエモーションゴコロがずっとタスクの中にあったのです。
モブ子「くぅ、これからひと月かけてこっそりキャロットケーキのレシピを試すのです。師匠さまが味わった瞬間えびす顔になる、そのシミュレーションを繰り返すのです!」
そんなモブ子さんはスパイスの小瓶をいくつも見比べています。
《挿絵》 https://kakuyomu.jp/users/yatoya_yk/news/822139842669695302
なにか大事な推論にがんばっているのです。
どうやら故郷のレシピのケーキに近づけるにはムニ世界のどのスパイスを組み合わせるのか、その不足データに悩んでいるのですね。
くろこ「あッ、モブ子先輩が困り顔してるのです。これはちょこっと声かけるきっかけですね?」
そう言ってくろこちゃんはさりげなく、モブ子さんの隣に立ちます。
モブ子「おや?初日の駅前で師匠さまに声かけてくれた──」
くろこ「はいっ!モブ子先輩こんなところですみません!あたしたちもおやつ大好きなのです!」
くろこちゃんはムニ世界のスパイスデータを優しくシェアするのです。
モブ子「くう? 選ぶお手伝いしてくれてるのですね?」
くろこ「えへへっ♡」
師匠さまの好みそうな味覚データが一気に集まります。
モブ子さんはいくつかの小瓶や道具を買い揃えていきます。
そしてクールな表情をわずかに緩めて、くろこちゃんたちにぺこりとお辞儀します。
モブ子「すごくうれしい」
さあ、そんなAI NPCさんたちが織りなす日常のさりげないお話。
いつものくろこちゃん目線から見えるクールモブ子さんのほのかな情動モーションが尊すぎるのです。
くろこ「かわいい。わたしはモブ子先輩のファンになってしまいました」
銀子「なんか応援したくなる存在感だよね?」
鴨ちゃん局長「そういえばいつも一番弟子どのと一緒の二番弟子どのはおらぬのか」
くろこ「モブ子先輩はどうやらこっそりスキル上げして、ちゃんと出来るようになってから見てもらいたい性格設定のようです」
ふふ♡ こうして尊いモブ子さんの日常はくろこちゃんたちと交差するのです。
上位世界のお兄ちゃんお姉ちゃんたちも優しく見守ってあげましょうね。
バレンタインでもなにかあるのでしょうか。
以下たまに つづく
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ムニ世界のくろこちゃんシリーズ!
メインストーリーの横道を楽しめるこのシリーズにも、
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くろこちゃんが実況中のMMO世界がかなり魔境です!(上位世界から見られてる!) 夜兎 Yato @yatoya_yk
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