第11話 やべー女たちと、俺

「みんな、ちょっと集まって」


真一が珍しく真剣な顔で言った。デッドハウス・スペシャルの事務所に、4人のやべー女たちが集まる。


エリザベートは黒のタイトスカートスーツ。深いスリットから覗く黒いガーターベルトが官能的だ。


セラフィーナは純白のワンピース。薄い生地が身体のラインを美しく見せている。


アルケミアは白衣の下にピンクのビスチェとミニスカート。実験で汚れた白衣から、可愛らしい下着がチラチラと見える。


リリスは相変わらずの露出度高めファッション。黒いレースのブラトップとホットパンツで、健康的な小麦色の肌が眩しい。


「神崎さんのところから内部告発があったんだ」


真一がタブレットを見せた。


「ホーリーハウスの裏の顔...」


* * *


資料には衝撃的な事実が書かれていた。


『表向きは優良企業だが、実は住人の個人情報を収集し、闇ルートで売買している』


「なんて...普通の悪徳企業」


エリザベートが呆れた声を出した。


「つまらないわね」


リリスも同意する。胸を支える手の動きで、谷間が強調される。


「でも、これは許せないわ」


セラフィーナが立ち上がった。聖女の怒りで、白いオーラが身体を包む。その光で薄いワンピースがさらに透けて見える。


「住人の幸せを踏みにじるなんて!」


「データ収集だけ?人体実験はしないの?」


アルケミアが不満そうに言った。


「いや、それはそれで問題だから」


真一がツッコむ。


* * *


「でも、どうする?」


エリザベートが考え込んだ。


「私たちも違法すれすれ...いえ、完全にアウトなことしてるし」


「そうね...」


4人が沈黙した。


真一は立ち上がった。


「だからこそ、俺たちがやるんだ」


「真一?」


「俺たちは確かにやべーことをしてきた。でも...」


真一は4人を見回した。


「君たちは、少なくとも住人を不幸にはしてない」


「それは...」


「エリザベートは危険物件を売るけど、必ず相手の能力を見極めてる」


「セラフィーナは過激だけど、本当に悪い奴しか狙わない」


「アルケミアの薬は危険だけど、効果は本物だ」


「リリスは...まあ、愛の形を試してるだけだし」


真一は微笑んだ。


「君たちは、やべーけど...悪じゃない」


* * *


4人の目に涙が浮かんだ。


「真一...」


エリザベートが真一に抱きついた。柔らかい胸が押し付けられる。


「私たちを信じてくれるの?」


セラフィーナも後ろから抱きついた。温かい体温が背中に伝わる。


「当たり前だろ」


真一は照れくさそうに言った。


「じゃあ、作戦会議よ!」


アルケミアが興奮して飛び跳ねた。白衣がはだけ、ピンクのビスチェが丸見えになる。


「ホーリーハウスを、私たちの方法で潰すわ♪」


リリスが妖艶に微笑んだ。


* * *


作戦は単純だった。


まず、リリスが内部に潜入する。


「任せて。男なんてチョロいもの♪」


黒いドレスに着替えたリリスは、完璧な美貌で神崎に近づいた。


次に、アルケミアが特殊な薬を用意する。


「真実を話したくなる薬よ!副作用は...まあ、大丈夫!」


そして、セラフィーナが建物を聖なる光で包む。


「悪事は全て明るみに出るわ」


最後に、エリザベートが証拠を集めて当局に提出。


「合法的に潰すのよ」


* * *


作戦は完璧に成功した。


神崎は薬の効果で全てを自白し、ホーリーハウスは営業停止になった。


「やったわ!」


4人が歓声を上げた。


「でも...」


真一が複雑な表情をした。


「これで良かったのかな」


「何言ってるの?」


エリザベートが不思議そうに聞いた。


「だって、結局は薬とか使って...」


「それが私たちでしょ?」


セラフィーナが優しく微笑んだ。


「完璧じゃないけど、それでいいじゃない」


* * *


真一は4人を見つめた。


やべー女たち。


でも、この数ヶ月で情が湧いてしまった。


「なあ、みんな」


「なに?」


「これからも...一緒にいてくれる?」


4人の顔が輝いた。


「当たり前じゃない!」


「真一は私たちの大切な人よ」


「実験体ナンバーワンだもん!」


「あなたの愛、まだ壊せてないし♪」


真一は苦笑した。


相変わらずやべー。


でも...


「ありがとう。俺も、君たちが大切だ」


* * *


その夜、5人で祝勝会を開いた。


「かんぱーい!」


グラスがぶつかる音が響く。


「ねえ、真一」


エリザベートが甘えた声で言った。酔って頬が赤く、胸元のボタンが緩んでいる。


「今度、本当に安全な物件探してあげる」


「それは嬉しいけど...」


「でも、つまらないでしょ?」


リリスがからかうように言った。酔った勢いで真一の膝に座る。


「ちょっと!ずるい!」


アルケミアも真一の隣に座った。白衣を脱いで、ピンクのビスチェ姿になっている。


「みんな、はしたないわよ」


セラフィーナが注意するが、彼女も真一の後ろに回り込んだ。


真一は囲まれながら思った。


普通の生活は、もう無理かもしれない。


でも...


「これはこれで、悪くないな」


やべー女たちとの、やべー日常。


それが真一の選んだ道だった。


【第2部予告】

新章突入!5人の共同生活が始まる!

「え?みんなで同じ家に住むの!?」

混沌の同棲生活編、スタート!

次回「危険な同棲生活」にご期待ください!

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