第6話 異世界不動産、始めました

「というわけで、不動産業を始めることにしたわ♪」


朝食会から数日後、エリザベートが突然宣言した。


真一の部屋に4人のやべー女たちが勢揃いしている。エリザベートは今日も完璧なスーツ姿だが、胸元のボタンを一つ多く開けており、レースの下着がチラリと見える。座った時に組んだ脚が、黒いストッキング越しに艶めかしく光った。


「不動産業?もうやってるじゃないですか」


「違うわ。今までは既存物件の仲介だけ。これからは特殊物件の開発から手がけるの」


エリザベートが立ち上がり、ホワイトボードに事業計画を書き始めた。スーツのタイトスカートが体のラインにぴったりと張り付き、ヒップラインがくっきりと浮かび上がる。


「社名は『デッドハウス・スペシャル』。私が社長で、みんなは特殊物件開発部門」


「面白そう!」


アルケミアが手を挙げた。白衣の袖がずり落ちて、細い腕が露わになる。今日は紫のミニスカートを履いており、興奮して飛び跳ねる度に、ニーソックスと素肌の間の絶対領域がチラチラと見えた。


「私も協力するわ。世界平和のためには、理想的な住環境が必要だもの」


セラフィーナも賛同した。純白のローブに朝日が透けて、その下に着けているらしい薄い下着のラインがうっすらと見える。祈るように手を組む仕草で、豊かな胸が持ち上がった。


「愛を研究するには、様々な環境でのデータが必要ね♪」


リリスも興味深そうだ。今日は黒いキャミソールにミニスカートという大胆な格好で、くるりと回ると黒いレースのパンツが一瞬見えた。小悪魔的な笑みを浮かべながら、真一の隣に座り込む。


「で、僕は?」


「営業担当よ」


エリザベートがにっこり笑った。


「え?」


* * *


『デッドハウス・スペシャル』の事務所は、エリザベートの元の店舗を改装したものだった。


「さあ、最初のお客様よ!」


扉を開けて入ってきたのは、典型的な冒険者パーティーだった。剣士、魔法使い、僧侶、盗賊の4人組。


「あの、安くて安全な拠点を探してるんですが...」


剣士が恐る恐る言った。


「安くて安全!素晴らしいご要望です!」


エリザベートが営業スマイルを見せる。身を乗り出した拍子に、豊満な胸が机に押し付けられて形を変えた。剣士の顔が赤くなる。


「ちょうど良い物件がございます。こちらです」


エリザベートが見せたのは、呪われた廃城の写真だった。


「これ、どう見ても危険な...」


「ところが!」


セラフィーナが立ち上がった。


「私の祝福により、邪悪な気配は完全に浄化されています」


銀髪を揺らしながら聖女が微笑む。その神々しい雰囲気に、冒険者たちは見とれた。薄い布地のローブから、白い肌がほんのりと透けて見える。


「本当に安全なんですか?」


「ええ、もちろん。ただし...」


セラフィーナの目が、一瞬妖しく光った。


「私の教えに従うという条件付きですけど」


「教え?」


「世界平和のための、ちょっとした決まり事です。毎朝のお祈りとか」


実際は精神支配の呪文だが、真一以外は誰も気づいていない。


* * *


「さらに!」


アルケミアが白衣をはためかせながら前に出た。その動きで、スカートがふわりと持ち上がり、紫のパンツが一瞬見えた。


「この物件には、私の開発した最新設備が!」


「最新設備?」


「自動回復装置です!怪我をしても勝手に治る!」


それは人体実験装置の副産物だったが、冒険者たちは感心した様子だ。


「すごい...でも高そう」


「そこで!」


リリスが冒険者たちの間に割り込んだ。黒いキャミソールから覗く谷間が、男性陣の視線を釘付けにする。


「特別キャンペーン中なの♪カップル割引があるわよ」


「カップル割引?」


「そう。恋人同士なら家賃半額♪」


リリスが剣士と魔法使いの間に手を入れ、二人を引き寄せた。柔らかい胸が剣士の腕に押し付けられる。


「あなたたち、お似合いよ~」


「いや、俺たちは別に...」


「あら、まだ付き合ってないの?もったいない♪」


淫魔の魅力に当てられて、剣士と魔法使いの顔が真っ赤になった。


* * *


真一は頭を抱えた。


完全に詐欺だ。いや、詐欺を超えた何かだ。


「あの、本当にこれでいいんですか?」


小声でエリザベートに聞く。


「何か問題でも?」


「問題しかないでしょう!」


「でも、みんな幸せそうよ?」


確かに、冒険者たちは目を輝かせて物件の説明を聞いている。


セラフィーナの祝福(洗脳)で不安は消え、アルケミアの装置(人体実験)に期待し、リリスの色仕掛けで舞い上がっている。


「契約します!」


剣士が勢いよく言った。


「ありがとうございます♪」


エリザベートが契約書を差し出す。その際、わざと胸を剣士の前で揺らした。


「では、こちらにサインを...」


真一は、契約書の細かい文字を見て青ざめた。


『入居後のいかなる身体的・精神的変化も自己責任とする』

『実験的設備による副作用は保証対象外』

『聖女の教えへの絶対服従を誓約する』


「ちょっと待って!」


真一が止めようとしたが、遅かった。


冒険者たちは、うっとりとした表情でサインしていく。


* * *


契約が終わり、冒険者たちが去った後。


「大成功ね!」


エリザベートが売上を数えながら微笑んだ。


「初日から契約が取れるなんて」


「私の浄化のおかげね」


セラフィーナが誇らしげに胸を張る。その動きで、ローブの胸元が少し開き、白い谷間がチラリと見えた。


「実験体が4人も!最高!」


アルケミアが飛び跳ねて喜ぶ。ツインテールが揺れ、スカートもひらひらと舞い上がった。


「新しい愛の形が見られそう♪」


リリスが妖艶に微笑む。


真一だけが、複雑な表情をしていた。


「本当にこれでいいのか...」


でも、4人のやべー女たちの嬉しそうな顔を見ていると、止める気にもなれない。


それに、冒険者たちも幸せそうだった。


洗脳されて、実験されて、愛を弄ばれることになるとも知らずに。


「次のお客様が来たわよ!」


エリザベートの声で、真一は現実に引き戻された。


異世界不動産業は、順調に(?)スタートを切ったのだった。


【次回予告】

アルケミアが開発した「進化する家」とは!?

住人と家が融合する恐怖の事態に!

「家が...僕を食べようとしてる!」

第7話「実験住宅にようこそ」へ続く!

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