第2話 『転移!!ぷに時空!〜メジャーが裂いた愛と脂肪〜』

部室。

午後の柔らかい陽が、窓から射し込んでいる。

机の上には、菓子パンとポテチと、唐揚げ弁当と、タニタの体重計。

だが、誰ひとりその計を気にする者はいない。


「じゃあ今日は、みんなの“理想ぽちゃ”を再確認しよっか〜♪」

そう言ったのは、ギャル系微ぽちゃ代表・なつみ。

へそ出しルックからぷにっと覗くお腹を、本人はむしろ誇らしげに撫でている。


「アタシはさ〜、腹の肉がパンツに乗るくらいがちょうどイイ♡」

「それ、乗りすぎだろ…」とガリごぼう体型の竹内が呟く。


「いや、むしろタプッとしとる方が安心感あるって!」

そう言って馬鹿でかい唐揚げを咥えるのは、筋肉脂肪ハイブリッド系男子・東堂(とうどう)だ。


「黙れ筋肉肉まん」

「うるせえ干し芋」


そんなやり取りの中、

部室の片隅に置かれた“あのアイテム”に、誰かが気づく。


「……なあ。これ、何のためにあるんだ?」


そう。

メジャーである。


ぷにぷに測定用に買ったもの。

しかし今日はそれが――開かれたゲートになる。


「全員、一斉に測ってみね?」


「面白そう~♡じゃあまずアタシからいっちゃうね~!」


なつみがメジャーを広げ、お腹の一番太い部分に巻き付ける。


\ピッ/


測定音。

そして次の瞬間、


バリィィィィンッ!!!


空間が裂けた。


「えっ」


「ちょ、おま、腹囲で時空裂くな!!」


「いや何この展開!?これギャグ…!?アニメ化狙ってる!?!?」


悲鳴とツッコミが交錯する中、

部室ごと、部員全員が異世界へ吸い込まれていった――!!






続く

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