ぽちゃ研⚠️ 〜異世界ぷにぷに時空冒険録〜
べすこ
第1話「圧がすごいんだ、このサークル」
「で、真嶋くんは――ぽちゃ、どう思う?」
その問いは、突然だった。
入学して数日。
まだクラスにも馴染んでいない俺・真嶋 練(まじま れん)は、大学のサークル紹介ブースで、偶然立ち寄っただけのはずだった。
……なのに。
今、俺の目の前には……
ゴスロリドレスのぽちゃ女子、筋肉と脂肪を融合させたプロレス体型の男、ギラッギラのネイルをキメたギャルぽちゃ、バー店員風の豊満美女、そしてぽちゃの神秘を語るガリガリ男子が、全員こちらを見ている。
そしてその中心、スーツ姿の男が、改めて言った。
「君の、“ぽちゃ観”を問うている」
「ぽちゃかん……?」
「そう。ぽっちゃりとは何か?という哲学だ」
えっ、えっ??
いやいや、怖い怖い怖い!!!
俺が立ち寄ったサークルの名は――
「ぽちゃ文化研究会(通称:ぽちゃ研⚠️)」
活動内容:
・ぽっちゃりを愛でる
・ぽちゃコス撮影会
・ぽちゃ文化の歴史研究
・ぽちゃ飯を食べて考察
・ぽちゃで異世界召喚
最後のやつだけ明らかにおかしいだろ!!!???
「ちょ、ちょっと見てただけで――」
「じゃあ君、ぽちゃは嫌い?」
ガリガリ男子・尾澤くんが、ジト目で言った。
「違っ、そうじゃなくて……!」
「じゃあ、ぽちゃに押しつぶされたい願望は?」
「!?!?!?」
え、なんで俺の性癖バレてんの????
誰かに言ったことすらない、深淵に秘めていた願いを――この男、読心術か!?
「やはりな」
スーツ男(たぶん部長)が、うなずいた。
「君には……“素質”がある。ぽちゃ観の器が、深い」
「いや、まだ入るとか――」
「歓迎しよう、ぽちゃ研⚠️へ!」
部員全員が、両手を広げて笑顔で言った。
その笑顔のボリュームが、すごかった。
体積的にも、熱量的にも。
その日、俺は思った。
このサークル、圧がすごい。
そして……なんだか……温かい。
だがまだ、このときの俺は知らなかった。
数日後、ぽちゃと異世界に巻き込まれることを。
運命の“メジャー”が、俺を待っていた――。
続く
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