砂の書〜遺骸の章 〜(禁忌)

『過去の文明について、この章は戒めを記す。』


 砂の下には三度の泥が、泥の下には三度の『遺骸』が眠る。


 第一の遺骸は、『狩人』の傲慢。

 第二の遺骸は、『大樹』の虚栄。

 第三の遺骸は、『菌糸』の探求。


 我ら『獣』は、彼らの残したいさんを漁り、生きながらえている。


 だが忘れるな。


 『狩人』の骨を拾う者は、力に溺れ、同胞を狩るだろう。

 『大樹』の骨を拾う者は、天を夢見、地を見失うだろう。

 『菌糸』の骨を拾う者は、知に触れ、人ならざるものに成り果てるだろう。


 特に、三層目の闇に触れてはならない。


 『菌糸』のネットワークはいまだ生きており、彼らの「知」は甘美な毒。

 それを啜る者は、いずれ自らの肉体を捨て、泥の奥底で永遠に思考する『網』の一部とされる。

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