毎日の通勤電車が、こんなにも愛らしい世界だったなんて。真っ黒なスーツの後ろから「ひゃっはー!」と顔を出す梨の妖精に、思わず笑みがこぼれた。彦根のモチ猫を探すのに夢中で、目の前のまん丸な顔に気づかない気持ちもよくわかる。島根の黄色い猫は、豪雨の後でもマイペースにスマホに集中している私たちを見守ってくれている。私もまた、毎朝の電車でこんな小さな発見を探してみたくなった。