In a planet

 巨悪を新たな友と打ち倒した彼は、藤色の空を見上げる。


「なあ、アルカナ、なあ。君はどうして、この星に力を貸してくれたんだ?」


「そうだな…何百万年も前の話だ。私は、ある種族と出会った。それからかもしれないな。それまで職務として、慈悲として救ってきた弱者を、心の底から救いたく、共に生きたくなったのは。私は彼ら、いや、彼を救うことは出来た。だが、結果として彼とは別れることになった。今もそのことは悔やんでいる。どうすればよかったんだろうな」


「僕にも守りたい人がいた。君と出会う少し前、侵略者に、あいつは無残に殺された。僕はあいつを守る事は出来なかった。けれども、大切なものをなくした世界でも、君のおかげで、僕は希望を思い出せた。僕が今、こうして立っていられるのは、君と、君の故い友あってこそだ。君と彼はきっと、役に立ったんだと思うよ」


「…そうかもしれないな。私は、とうの昔にこの世界から旅立った友の記憶を捨てきれずに、大切に抱えて生きていく、それでいいのだろうな」


「僕のことも忘れないでね?」


「…善処する、」


「ハハハ…、それでいいんだと思うよ」


 二つの太陽が重なった時、二人は笑顔と涙と共に、今生の別れを告げた。遥かに光る小さな星の瞬きは、平和への祝福に見えた。

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