Day20 包み紙 (鰺坂)

 夏の訪れは暑さや陽の長さでも実感するが、各地のお土産や、普段使いには買わなさそうなお菓子が研究室に並ぶようになると、夏が来た実感が更に深まる。今年はまずボス――指導教員から、お中元のお裾分けがあった。

 十年来、変わらず同じお店のお菓子を贈ってくださっている方からのお中元だそうで、研究室に入って三年目の今年も見馴れた包み紙があることに安堵して、少しだけ憂鬱になった。というのも、このお店のお菓子、個包装の包み紙も凝っているのでどうせなら綺麗に剥がして記念に貼っておきたいと思うのだが、一箇所も破かずに剥がすのが地味に難しく、毎年苦汁をなめているのだ。

 さてさて今年はどうなることやら。そろっと剥がすと敗れることは昨年学んだ、ということは、思い切って、えいといけば――今回は綺麗に剥がせた。レトロな柄の包み紙に包まれていた飴玉を口の中に放り込んで、安堵の息を吐く。包み紙の柄とお揃いの、鮮やかな夏の果実の味が広がった。

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