星間サウナ

 遠い昔。

 星間サウナという行為があったことをご存知だろうか?


 それは、星がための行為だった。


 まず、目的の惑星の軌道を操作して、恒星に接近させる。

 その際、太陽風ロウリュを宇宙アウフグースによって送り込み、惑星をより効率的に加熱する。


 次に、手頃な氷の彗星の軌道を操作して、温めた惑星に接近させる。

 惑星に冷水浴をさせるのだ。


 彗星の氷は恒星の熱で溶けるから、大量の冷水を供給することができた。


 そして、惑星を宇宙の冷気に晒す。

 漆黒の宇宙の冷たさ。

 宇宙外気浴は、に欠かせない。


 以上のサイクルを繰り返すことによって、その惑星は




 遠い昔。

 惑星ムシィの第3衛星に起源を持つブロゥ人たちは、星間サウナによって一大銀河文明を築いていた。


 その版図は最盛期で銀河系のおよそ半分におよび、ブロゥ人たちは新たな惑星を発見するたびに、星間サウナで環境をてから入植を行った。



 では星間サウナを受けた惑星で、元々暮らしていた知的生命体がどうなったのか。

 記録には残されていない。





(2025/10/31 一部修正)

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