ちっこいの。

 今ここに、アリがいる。

 オレが今、腰掛けている、公共の場の、2階にある、ベンチの下の、コンクリートの床の上に、はいまわっている、無数のアリが。


 それまでは、オレは、こう思っていた。

 わさわさと、そこのベンチから、たくさん現れる、そのアリ達は、いったい、どこから出てきているのか? …と……。

 そのアリ達のすみかは、ゴキブリ達がすみかとしているベンチの中に、アリ達も一緒に、その場所に巣をつくっているものなのか、と。


 その事で、そこのベンチに巣くっている、アリが言った。


「そのベンチの中は、ゴキブリの領域だから、ボク達は巣をつくらないんだよ」…と。


 なるほど、確かに、そうかだな。

 虫には虫の、たたかいが、あるだろうからな。

 うん。


 では、そこのベンチに巣くっているアリ達は、その場所の、どこに巣をつくっているのだろうか?


 ベンチのうしろの、街路樹を植えている、人工芝の中か…?


 それとも、ここは、2階だが、ベンチが設置してある、コンクリートの床の中にか?


 はたまた、ベンチ自体の、木で出来ている、ベンチの板の中にか……?

 シロアリ、みたいに、木をかじって、木の中に巣をつくっている。アリ、だけに。


 ……。



 それからは、よーくアリ達を観察していたら……その答えは、簡単に解ったよ……。


 その、アリ達が巣をつくっている、その場所は、ベンチの横の、手を置く(?)スペースの、コンクリートの中に、だったのだ。

 ちなみに、中に巣をつくっているアリの話では……中は、コンクリートではなく、空洞…との事だが。

 うん。


 余談だが、オレの元番い(つがい)(番いとは、“片割れ”の事である。)の善(ぜん)の、ある相手にみせる時の、口調の声の感じと、アリ達の声が、似ているのである。


 善は言った。


 ありがちょ。そう言ってもらえると、ありがたき幸せであります。アリ、だけに。…って、言ったのー! う~ん。……あ、わたし、また、「う~ん」…って、言ってしまったよ。これは、あり、なのー? どうなの?

翼ー。 アリ、だけに、あり、なのー?


 …おもしろい。……。


 善と、アリは、イメージが、あっているのかもしれない。

 それぞれに、ちっこい感じが。いい意味で。


 最後に、オレは言った。


 ありえないんだが……。アリ、だけに……。


 何がでありますか?


 まー、いろいろと……。何はともあれ、ありがちょんまげ。この「ありがちょんまげ」には、アリ、は、関係ない、けどな……。ストリートファイター、だから。


 こっちも、こっちで、たたかいの日々は、つづいていくのである。


 ……。


(曲)


 ありさん、こちら。手のなるほうへ。


 はい。ありさん、そちらに行くであります。アリ、だけに。


 失いたくない存在だな。はい。


 

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世界で暮らして。 クールペンギン @cool-penguin6

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