七月五日、日本、終焉の日

7月5日、日本は終わるはずだった。
だが、少年は滅びを「別の日本」へと運ぶことを選んだ——。

2025年7月。突如現れた空の裂け目、腐食する泡、未来を指す時計、赤く染まる富士山。

「滅びの予兆」が連鎖する中、すべてを見届ける“存在しないはずの少年・アキラ”が現れる。

滅びゆく世界から逃れるためではなく、そのエネルギーを別の並行世界へと“転移”するために。

移動先の日本で出会ったのは、もう一人のアキラ。少年たちは“自分自身”と向き合いながら、世界の終焉に立ち向かう。

滅びはすぐ隣にある。だが、希望もまた、そこにある——。

壮大な終末SFと静かな再生の物語が融合した、現代日本の“もう一つの運命”を描く黙示録的青春譚。