第6話

「あー疲れた。花凛、肩揉め」


扉を閉めるや否や、壱悟はいつも張り付けている作り笑顔を崩して大きなソファーにふんぞり返り私に命令をした。


壱悟はいつもそうだ。


誰か他に人がいるときには天使のような笑顔を浮かべているのに、私と二人きりになると、とても横暴な悪魔になる。


「私、教室に戻らないと」

「戻る必要ないだろ」

「授業に出なくても出席にしてもらえる生徒会長様とは違って、私は休んだら卒業にも響いちゃうんだけど」

「そんなこと俺には関係ないし。何でもいいから早くしろ」


なんて理不尽な。

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