第7話

壱悟と私のこの上下関係は、物心ついた頃にはすでに出来上がっていた。


壱悟からされる理不尽な要求に、何度泣かされたことだろうか。


私が涙を流す姿を見て満足げに笑う悪魔に、私が諦めと言う名の絶望を覚えたのは遠い昔の事だ。


けれど。


「花凛と話してたらまたのど乾いてきたから、コーヒーもう1本買ってこい」


そう言ってにやりと笑うこの悪魔から、離れられないんだから仕方がない。

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