第3話

「栖原くんって、いつもは可愛らしいのにここぞって時には格好良くってほんっと最高!ねぇ、花凛カリンと居るときはどっちの栖原くんなの?」


教室へ戻ろうと歩を進めるていると友達の奈美ナミにそう尋ねられ、私はドキッとした。


「どっちって訊かれても……」

「なになに、花凛と栖原くん2人だけの秘密だって?」

「そ、そんなことは」

「花凛はいいなー、あんなにも素敵な彼氏がいて」


にやにやとした奈美に羨望の眼差しを向けられた、ちょうどその時だった。


「花凛ちゃ~ん」


間延びした声で背後から呼ばれたのは。

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