呪術を用いて妖を使役した――その罪と身に覚えのない咎によって殺された「夜闇の妖姫」こと比奈子は、死ぬ四年前の時点に巻き戻り、再び目覚めた。二度目の人生を歩むこととなった彼女は決意するのだった。今生では必ず生き延びてみせる、と。
私が推したいポイントは主にふたつあります!
ひとつ目は比奈子の葛藤です。彼女は前世のように殺されないよう、目立たず、誰とも交流を持たず暮らしています。本当の自分を隠している=殺されないための役を演じながら生きているのです。また、彼女は異能や「目に入り手の届く範囲のものを放ってはおけない」性分を生まれもっています。
前世とは違った今生を歩むことにより、比奈子の中にはそれぞれにおいて葛藤が生まれます。その葛藤は時にあたたかく、時にシリアスで、人間の強さを感じるものであり引き込まれました。
ここにメイン二人の徐々に近づく距離感や成長なども含まれるのですが、そこはネタバレ無しで、ぜひ実際に読んで感じていただきたいところです!
ふたつ目はギャップです。死ぬ未来を回避したい=前世とは違う生き方をしているため、比奈子の身の回りでは、前世とは違うイベントが発生します。その前世と今世との違いが読者にとっても新鮮に思えました。
また、各キャラクターについても前世・今世の違いだけでなく、強さ・弱さといったいろんな一面が見え、グッときました。魅力が深まり、全員のことをより好きになれたように思います。
クライマックスに向かうにつれ、引き込まれる作品でした。伏線回収も丁寧で綺麗、と思いました。
また、「結び③」までで大きなプロローグにもなっている、始まりの物語であるとも感じました。
今後のドラマやまだ語られていないキャラたち等、もっと見てみたいです!
※ネクストにて「夜闇の妖姫⑧」まで+書籍版にて「結び」を読んでのレビューです。
時は大正、舞台は帝都。
前世で闇落ち&討伐されてしまった異能持ちの少女・谷木比奈子。
何故か自分が殺されるよりも前の時間に舞い戻った彼女は、二度と同じ運命を辿らないようにひっそりと生活していた。
しかし、ある朝、前世で自分を殺した青年・掛井琉河が比奈子の家に現れる。
ある調査でやってきたという彼を比奈子は拒絶した。だが、琉河が比奈子との婚約状を持ってきたことで、二人の契約結婚生活が幕を開けて……!?
因縁の相手と契約結婚にどきどき&ハラハラが止まらない!
「贄の花嫁」の著者がおくる、未来と現在が交錯する期待の和風ファンタジーです。
比奈子の異能の秘密や琉河の切ない事情など、謎にあふれた物語としても楽しめます。
揺れ動く二人の心と、二人の距離がぐっと近づく流れ星のシーンは特に必見です!
どうぞお楽しみください!